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運動学的な視点から治療を組み立てていくのが苦手なあなたへ

寝たきりの患者様が離床をしていく上で、抗重力伸展活動を行うために必要な筋活動がきちんとできているかどうかを評価することはとても重要な評価技術です。   こうした評価をあなたはどのように行っていますか? 筋出力の評価はMMTやGMTといった評価バッテリーで評価することは可能ですが、その評価を毎回時間を取って行うという時間もなかなかないのも事実です。 ではどのようにすれば、評価ができるようになるのか、について今日の記事ではご紹介してみたいと思います。 抗重力伸展活動は基本動作のつながりから評価しよう 例えば、歩行動作における抗重力伸展活動が不足している場合、歩行動作でばかり評価と治療を進めてもなかなか進まないという経験をしたことはありませんか? こうした場合には、基本動作における抗重力伸展活動はどの場所で出現するのかを考えていく必要があります。   例えば寝返りや腹臥位において、頭部を持ち上げたり上肢を持ち上げたりする動作は、座位や立位において、頭頚部や体幹を進展させる運動に繋がります。   こうした抗重力伸展活動は歩行動作だけでなく、他の基本動作の中にも含まれており、腹臥位や側臥位で頭頚部の伸展ができていない患者様に、座位や立位で体幹の伸展を促しても、なかなかうまくリハビリは進みません。   そのため、わたしはより安定している支持基底面の大きい場所でのリハビリを進めることをおすすめしています。   これは基本動作のつながりを考えると自然と出てくる考え方になります。 この考え方は運動学に基づいた考え方であり、運動学に基づいた考え方のことをキネシオロジーと呼びます。   もしこうした内容に興味があるのであれば こちらのセミナーをおすすめします。   脳血管疾患の姿勢制御を考える|基本動作の獲得に必要なキネシオロジー   講師:弓岡光徳先生 大阪人間科学大学 理学療法学科 教授 / 理学療法士    ※その他略歴はこちら   本日も最後までお読みいただきありがとうございました。  ...
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転倒リスクが高い患者様に必要な知覚・認知的アプローチとは?

高齢者の転倒リスクだけでなく、リハビリに従事するセラピストにとって欠かせない 「姿勢制御に対するアプローチ技術」 こうしたリハビリ技術はどのように勉強していますか?   姿勢制御と検索すると様々な情報がウェブサイト上で手に入れることができますが、 視覚情報から姿勢制御を考える考え方はなかなか得られるものではありません。 また、認知機能面に対してのアプローチ技術も必要になってきます。 今回はこうした情報を統合するために必要なことについて考えてみたいと思います。   姿勢制御を考えるうえで視覚情報に対してどのようにアプローチしていくべきか? 視覚情報と一言でいうと、どんなことと思われるかもしれません。 しかし、我々は眼球運動やピントの調整など、目は様々な機能を有しているにもかかわらず、こうした評価方法にあまりフォーカスが当たるということはないように思います。   私自身はパーキンソン病の患者様のリハビリや寝たきり患者様のリハビリにおいて、眼球運動のトレーニングはとても重要になると感じています。 それは目を動かして、対象物をきちんととらえることができるか、対象物にしっかり注意を向けることができるかによって、身体の動きが全然変わるということを実感しているからです。   スポーツ選手においては動体視力という観点は、よく注目される内容ではありますが、それは高齢者やリハビリに従事するセラピストにとってもとても重要な内容だと思われます。   姿勢制御に必要な知覚・認知的アプローチとは? 転倒リスクの高い患者様のリハビリにおいて、筋力的な問題点に対してアプローチをすることは重要です。 しかし、知覚や認知的な面に対してアプローチを考えている方はどれくらいおられるでしょうか?   認知的なアプローチと難しく言いましたが、例えばあなたは今どのようなことをして、考えながらこの記事を読んでくださっていますか? 歩きながらスマホを診ているという方もおられるのではないでしょうか? そうしたことを細分化して考えてみてほしいと思います。 手元を見ながら歩いていても、あなたは前から来た人をよけながら歩いたり、 足元に転がっている犬の糞をよけながら歩けていると思います。   そうした情報の処理能力を鍛えていくということも、姿勢制御には必要になっていたりするのです。 こうしたアプローチを考えることも重要になってきます。...
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レントゲン所見の見かたを教えてもらえない場合の勉強法とは?

整形外科領域で働いているセラピストなら、レントゲン所見を見る機会は多いと思います。 見る機会は多いかもしれませんが、実際に自分自身でどこにどのように筋が付着して、 どの部位に骨折船が認められているのか、回復過程はどのような進捗なのかを 理解しているセラピストはどれくらいいるでしょうか?   整形外科領域で働いているセラピストにとっては レントゲン所見のチェックは、カルテのチェックと同じくらい重要な 情報収集媒体であることは周知の事実だと思います。   整形外科領域で働いているセラピストだけでなく 回復期や訪問現場のセラピストにとっても同様です。 しかし回復期や訪問現場ではなかなかそうしたレントゲン所見を教えてくれる 医師がいなかったり上司がいなかったりしますよね?   ではどうするか?について今日は解説してみたいと思います。   レントゲン所見を教えてくれる上司や医師がいない場合の対処法 レントゲン所見は急性期現場であれば、医師が解説してくれる場合もあり 比較的学ぶ機会は多いと思います。   しかし、回復期や訪問現場ではなかなか教えてもらえる機会がないから もう別に見なくていいかなとあきらめていませんか?   こうした技術は特殊であるからこそ、なかなか独学でできないなとあきらめることは多いです。私自身も回復期で働いていて、医師になかなか教えてもらえないとあきらめていたこともありました。   しかし自分自身でできることは多いのです。 レントゲン所見は回復期であれば必ずどこかに保存されていますし 訪問現場でも情報を取ろうと思えば多職種連携で収集することも可能です。   こうした情報を得たいとまずは思うことが重要です。...
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痛み治療に必要なゲートコントロール理論をまず勉強してみませんか?

患者様の悩みの多くは、患部の痛みではないでしょうか? 痛みは身体の危険信号です。 生命維持における危険信号として現れており その痛みの原因を適切に理解し、対処することこそ我々セラピストの使命といっても過言ではありません。   ではその痛みのメカニズムをあなたはきちんと理解していますか? その痛みをどのように解消していけばいいかを理解していますか?   痛みを伴う状態であると正常な思考回路を保つことも難しく ネガティブな思考になってしまいます。 もし痛みの治療に苦手意識を持っているのであれば、ぜひ今日の記事をチェックしてみてください。   痛みを理解するために必要なゲートコントロール理論について学ぼう ゲートコントロール理論は、1965年にRonald MelzackとPatrick Wallによって提唱された 痛みのメカニズムを説明する理論です。 この理論は、痛みを単純な生理的な神経信号の応答だけではなく、 複雑な脳内の情報処理プロセスによってもたらされるという考えを示しています。 この理論の中心にあるのは「痛みの閉塞」を表す「ゲート」の概念です。 私たちの身体には、痛覚を伝達する小さな神経線維(C線維やAδ線維)が存在します。 これらの線維は、外部からの刺激(例:怪我や炎症)により活性化され、脳に痛みの信号を伝えます。 しかし、痛みを伝える線維だけでなく、脳内には「痛みの閉塞」をするような神経回路も存在します。 これを「ゲート」と呼びます。 ゲートは、感覚信号を脳に伝える脊髄の神経回路に存在し、痛みの伝達を制御する役割を果たします。   このゲートは、他の感覚情報や精神的な要因(注意、感情、ストレスなど)によっても制御されます。 例えば、マッサージや温熱療法などの刺激は、 ゲートを閉じることで痛みを軽減させる効果があります。 また、痛みに集中しているときよりも、他のことに注意を向けると痛みを感じにくくなることもあります。...
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緩和ケアにおける理学療法士・作業療法士の役割とは?

いつもエポックセミナーをお読みいただきありがとうございます。 緩和ケア病棟でリハビリに従事しているセラピストは多いとは言えませんが、時に緩和ケアが必要な患者様に対応することもあると思います。 そんな時にあなたができることは何でしょうか? 今日はそれを考えてみたいと思います   緩和ケア病棟における理学療法士・作業療法士の役割を考えよう   緩和ケア病棟は、重篤な疾患を持つ患者や末期患者に対する心身の苦痛を軽減し、 生活の質を向上させることを目的とした特別な医療施設です。 このような病棟において、リハビリテーションの役割は重要であり、患者の心身の状態を緩和し、最善の生活を送るサポートを提供します。   とはいえ、状態が悪化して患者様のモチベーションが低く、やりたくないといわれることも度々起こります。 そんな時に我々にできることは何でしょうか?   もちろん痛みの緩和や機能維持は重要なことです。 しかしながらもっと大事なのはメンタル面のサポートを行うことです。 いかに患者様に寄り添って、患者様の支えになれるか動画が重要になります。   そのためには技術面や痛みに対する知識は重要だと思いませんか?   そんな時におすすめするのはこちらのセミナーです。   緩和ケアにおけるがん患者の身体症状に対するリハビリテーションアプローチ 井上 順一朗 先生 神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター  理学療法士  ...
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認知症患者様を理解して具体的な家族支援をする方法を学びませんか?

認知症患者様をサポートしていくためには、専門的な知識だけではなく、地域の環境や社会福祉制度など様々な情報を統合し、多職種との連携を図りながら対応してくことが求められています。

あなたはきちんと認知症患者様に対して適切な対応が取れますか?

理学療法士

 

 

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4年ぶりにリハビリのオフライン研修が各地でスタートか?

先日、山梨リハビリテーション病院でオフライン講習会が開催されたというニュースが山梨のNEWS WEBにて紹介されていました。   コロナウィルスの感染拡大も徐々に収まりを見せていますので これからオフラインセミナーも活気づいてくればいいなと私も感じています。   オフラインセミナーで学べるハンズオンセミナーは やはり机上の空論ではなく、実際に触れて体験し、フィードバックをもらえる とても貴重な講習会だと私は感じています。   だからこそ徐々に開催が増えてくることは嬉しいことだと感じる一方 コロナウィルスの第九波の到来と尾身会長が発言されていることにも危機感を抱いています。   我々のクライアントは患者様であり、我々が媒介になるのは極力避けねばなりません。だからこそ慎重になって考えていく必要がありますね。   さて、そんな中でオンラインセミナーも新しい講習会企画が盛りだくさんです。 もしよければチェックしてみてくださいね。  
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冨田昌夫先生によるクラインフォーゲルバッハの運動学セミナー開催!

昨年、冨田昌夫先生によるオンライン講習会を企画させていただきました。   そこで受講生様から、クラインフォーゲルバッハの運動学を元に 基本動作の評価を冨田先生に解説してほしいというお話をいただきましたので 今年2023年に講習会を企画させていただきました。   今回のテーマは【クラインフォーゲルバッハの運動学を用いた基本動作の評価とアプローチ】   〇8月18日:立ち上がり動作〇9月15日:座位保持~座位での重心移動〇10月20日:立位・スクワット・ステッピング〇11月17日:歩行動作~応用動作〇12月15日:寝返り・起き上がり   上記5つのテーマについて解説していただきます。     冨田昌夫先生を知らないという方も、こちらの著書は知っているのではないでしょうか?     学生時代に学んだ【ステップス トゥ フォロー】や【Right in the Middle】 これらの著書を監訳された理学療法士の大御所先生です。   もしあなたがクラインフォーゲルバッハの運動学に興味があるならぜひチェックしてみてくださいね。  
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