運動学的な視点から治療を組み立てていくのが苦手なあなたへ
寝たきりの患者様が離床をしていく上で、抗重力伸展活動を行うために必要な筋活動がきちんとできているかどうかを評価することはとても重要な評価技術です。
こうした評価をあなたはどのように行っていますか?
筋出力の評価はMMTやGMTといった評価バッテリーで評価することは可能ですが、その評価を毎回時間を取って行うという時間もなかなかないのも事実です。
ではどのようにすれば、評価ができるようになるのか、について今日の記事ではご紹介してみたいと思います。
抗重力伸展活動は基本動作のつながりから評価しよう
例えば、歩行動作における抗重力伸展活動が不足している場合、歩行動作でばかり評価と治療を進めてもなかなか進まないという経験をしたことはありませんか?
こうした場合には、基本動作における抗重力伸展活動はどの場所で出現するのかを考えていく必要があります。
例えば寝返りや腹臥位において、頭部を持ち上げたり上肢を持ち上げたりする動作は、座位や立位において、頭頚部や体幹を進展させる運動に繋がります。
こうした抗重力伸展活動は歩行動作だけでなく、他の基本動作の中にも含まれており、腹臥位や側臥位で頭頚部の伸展ができていない患者様に、座位や立位で体幹の伸展を促しても、なかなかうまくリハビリは進みません。
そのため、わたしはより安定している支持基底面の大きい場所でのリハビリを進めることをおすすめしています。
これは基本動作のつながりを考えると自然と出てくる考え方になります。
この考え方は運動学に基づいた考え方であり、運動学に基づいた考え方のことをキネシオロジーと呼びます。
もしこうした内容に興味があるのであれば
こちらのセミナーをおすすめします。
脳血管疾患の姿勢制御を考える|基本動作の獲得に必要なキネシオロジー
