転倒リスクのある患者様に必要な視覚的・認知的アプローチとは?

高齢者の転倒リスクは、リハビリテーションに従事するセラピストにとって避けて通れない重要な課題です。

しかし、転倒予防を考えるうえで本当に欠かせないのは、単なる筋力やバランス能力の評価だけではなく、「姿勢制御」を多角的に捉える視点ではないでしょうか。

姿勢制御と検索すると、運動学的・神経学的な情報は数多く見つかりますが、視覚情報をどのように姿勢制御へ結びつけるのか、という視点は意外と体系的に語られていません。

実際の臨床では、視覚の使い方一つで立位や歩行の安定性が大きく変化する場面を多く経験します。

さらに、高齢者では注意力や判断力といった認知機能の影響も無視できません。姿勢が崩れる背景には、「見えているけれど認識できていない」「環境情報をうまく選択できていない」といった問題が隠れていることもあります。

これからのリハビリには、運動機能だけでなく、視覚や認知機能を含めた姿勢制御へのアプローチ技術が、セラピストにとって必須のスキルになっていくと考えられます。

今回はこうした情報を統合するために必要なことについて考えてみたいと思います。

 

姿勢制御を考えるうえで視覚情報に対してどのようにアプローチしていくべきか?

視覚情報と一言でいうと、どんなことと思われるかもしれません。

しかし、我々は眼球運動やピントの調整など、目は様々な機能を有しているにもかかわらず、こうした評価方法にあまりフォーカスが当たるということはないように思います。

 

私自身はパーキンソン病の患者様のリハビリや寝たきり患者様のリハビリにおいて、眼球運動のトレーニングはとても重要になると感じています。

それは目を動かして、対象物をきちんととらえることができるか、対象物にしっかり注意を向けることができるかによって、身体の動きが全然変わるということを実感しているからです。

 

スポーツ選手においては動体視力という観点は、よく注目される内容ではありますが、それは高齢者やリハビリに従事するセラピストにとってもとても重要な内容だと思われます。

 

姿勢制御に必要な知覚・認知的アプローチとは?

転倒リスクの高い患者様のリハビリにおいて、筋力的な問題点に対してアプローチをすることは重要です。

しかし、知覚や認知的な面に対してアプローチを考えている方はどれくらいおられるでしょうか?

 

認知的なアプローチと難しく言いましたが、例えばあなたは今どのようなことをして、考えながらこの記事を読んでくださっていますか?

歩きながらスマホを診ているという方もおられるのではないでしょうか?

そうしたことを細分化して考えてみてほしいと思います。

手元を見ながら歩いていても、あなたは前から来た人をよけながら歩いたり、

足元に転がっている犬の糞をよけながら歩けていると思います。

 

そうした情報の処理能力を鍛えていくということも、姿勢制御には必要になっていたりするのです。

こうしたアプローチを考えることも重要になってきます。

 

こうしたところに着目してリハビリを進めることで、より安定した姿勢制御を獲得できるのではないでしょうか。

 

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講師:大沼 亮 先生




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