トリガーポイントを学ぶことで見えてくることとは?
慢性的な痛みに悩む患者様を担当した際、
「なかなか症状が改善しない」
「治療してもすぐに痛みが戻ってしまう」
と感じた経験はないでしょうか。
慢性疼痛は単純な組織損傷だけで説明できるものではなく、
その背景にはさまざまな要因が関与しています。
そのため、痛みが出ている部位だけにアプローチしていても、
十分な改善が得られないことは少なくありません。
こうした慢性疼痛の原因として、近年特に注目されているのが
「筋・筋膜性疼痛症候群(MPS:Myofascial Pain Syndrome)」です。
MPSは筋や筋膜の機能異常によって生じる疼痛であり、
肩こりや腰痛をはじめ、多くの慢性疼痛に関与していると考えられています。
そして、そのMPSの中心的な病態として知られているのが「トリガーポイント」です。
トリガーポイントは局所の痛みだけでなく、
離れた部位へ関連痛を引き起こす特徴があり、
慢性疼痛を理解するうえで欠かせない存在です。
今回は、慢性疼痛との関係を踏まえながら、
トリガーポイントの基礎知識や臨床での考え方について解説していきます。
なぜ症状へのアプローチで改善しないのか?
患部を治療してもなかなか結果に至らないということは多いと思います。
そのため、全体的に調整していくことが必要なのにどこから始めるべきかわからないと悩むことは多いのではないでしょうか?
実は疼痛は筋や筋膜のしこり・硬結が痛みを引き起こします。
その部位を「トリガーポイント」と呼ぶのです。
しかし大切なことは、痛みを訴える患者様に対し、どこまで本質的な改善を提供できているかが大きな問題です。
トリガーポイントは単なる痛みのポイントではなく、全身の機能不全や運動パターンの乱れと密接に関連していることが多く、丁寧な評価と適切なアプローチが求められます。
トリガーポイント療法とは?
トリガーポイント技術は、特定の筋肉内のトリガーポイントを見つけ出し、
痛みの原因である可能性を評価する方法を提供します。
トリガーポイントはしばしば筋肉の硬直や不快感の原因となり、
その場所を正確に特定できることは、痛みの解消に向けた第一歩です。
トリガーポイントの適切な治療は、患者の痛みを緩和し、日常生活の質を向上させるのに役立ちます。
こうしたトリガーポイント治療は臨床家の中で慢性疼痛治療を担当するセラピストには重要な技術です。しかしながらこうした原理原則を理解しないまま、患者様の痛み治療に対応しているセラピストは少なくありません。
そのため根本的に解決に至らず次の比にはまた痛みをぶり返すという患者様が多いのではないでしょうか?
なぜトリガーポイント療法を学ぶべきなのか?
よく、なぜトリガーポイント療法を学ぶべきなのかと質問されます。
トリガーポイントというものは、前述したように、
筋肉の硬直や不快感の原因となります。
我々においても運動後にこうした経験をした方もおられると思います。
これを筋・筋膜性疼痛症候群と言います。
筋・筋膜性疼痛症候群とは、画像検査や血液検査などをしても異常がなく、
筋や筋膜、およびその周辺組織に痛みやコリを生じるような痛みのことを言います。
こうした筋膜のつながりや筋の構造を理解し、治療につなげることこそ、
我々理学療法士や作業療法士の役割です。
しかしながら痛みの治療ではただのマッサージに終始しているという方も少なくありません。
だからこそこうした筋膜リリースや、トリガーポイント療法を学ぶべきなのです。
トリガーポイント療法を学ぶと筋の生理学的な変化がわかる
実はトリガーポイントの形成メカニズムについては、科学的根拠が解明されていない部分があります。
しかしながら、一番有力視されているのは受容器の過敏化によるものであると考えられています。
受容器が炎症や筋収縮といった様々な刺激によって過敏化され、
興奮することで形成されると言われています。
特に同じ姿勢の保持やスポーツなどによって同じ動作の繰り返しで過敏化すると言われています。
過敏化した受容器が、すぐに修復されずに持続することで形成されます。
トリガーポイント治療を学ぶことで、こうした筋の生理学的変化をきちんととらえることができるようになり、
どのように治療すべきかが明確になるはずです。
そして何より痛みの原因となる箇所を解決することができます。
トリガーポイントを理解してきちんと治療できるようになろう
トリガーポイントは受容器が炎症や筋収縮といった様々な刺激によって過敏化することで起こると言われています。
こうした問題を解決するためには、それを引き起こしている姿勢や動作を見出し
解決するように努めなければいけません。
先日対応させていただいたスポーツ選手は特にこれが強く、
身体の動きや姿勢の崩れが強くみられているため、針を打って楽になっても次の日にはまた同じようになっているという問題を抱えていました。
実は局所の問題だけでなく、そこに問題を起こしている原因が他にあったのです。
それは筋膜連結の関係上、全身を診て治療をしていかなければいけません。
そのためにはトリガーポイントだけでなく、筋膜連結を合わせて考えていく必要があります。
筋膜連結とトリガーポイントの関係性について
筋膜連結はアナトミートレインとも説明されることがあります。
これら両者の関係性は局所の近位譲渡全身の筋膜連鎖をつなぐ概念として表現されることがあります。
例えばハムストリングにトリガーポイントがあると、同じSBL上の腰部や後頸部の過緊張を引き起こすことが知られています。
こうした全身を診て治療をするということを考えていくことが筋膜連鎖を考えることに繋がるのです。
ぜひこうしたことに興味を持ってみてくださいね。
トリガーポイントの評価と筋・筋膜性疼痛に対する治療技術|一括申込
講師:芝 由則 先生
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