排痰技術はベッドサイドのリハビリで必ずを学ぶべき理由とは?
あなたはベッドサイドでリハビリを行う際に、痰の処理はどうしていますか?
痰の吸引は看護師にいつもお願いしているというセラピストは多いと思います。
しかしながら近年、セラピストが吸引をするということが認められて生きているということをあなたは知っていますか?
こうした吸引技術は看護師にお願いすることが一番安全だと思うかもしれませんが、
リハビリ中に出てきた痰は、セラピストがきちんと処理をすることで
患者様の苦痛な時間を少しでも早く取り除くことが可能になります。
逆に言えば、痰を吸引せず、自分で喀出することができれば、吸引の苦しさから解放することもできると思いませんか?
また、我々は医療従事者の中で患者様に最も長くかかわる職種として知られているのですから、
吸引技術やその方法は知っておいても損はありません。
今日は我々セラピストがベッドサイドでできることを考えてみたいと思います
患者様の排痰練習や吸引方法、そのメカニズムを徹底的に学びませんか?
2022年、厚生労働省によって、セラピストによる喀痰吸引が正式に認められました。
これにより、所定の研修を修了した理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、
必要に応じて吸引を行うことが可能となりました。
これは臨床現場において、セラピストの役割を広げる大きな一歩といえるでしょう。
とはいえ、現在も多くの現場では、吸引機の使用や吸引の具体的な操作については、
依然として看護師に一任されているのが実情ではないでしょうか。
実際、吸引ができる資格を持っていたとしても、日常的に実践できているセラピストはまだ少ないかもしれません。
そのような中で、セラピストが積極的に活用すべきなのが「体位排痰法」です。
これは、肺内に貯留した痰を、重力と姿勢変換を利用して排出しやすくする手技であり、
セラピストが吸引操作を行わずとも痰の移動を促すことができる重要な介入手段です。
まず大切なのは、「どこに痰がたまっているのか」を評価することです。
呼吸音や視診、触診などを通じて、痰の貯留部位を的確に把握する必要があります。
そのうえで、適切な体位を選択し、痰の移動を促す姿勢を取らせることが求められます。
たとえば、右中葉に痰がたまっている場合には、体位ドレナージとして左側臥位で頭低位にし、重力を使って排痰を促します。
これに呼吸介助やリラクゼーションを組み合わせることで、より効果的な痰の排出が期待できます。
また、吸引や排痰に限らず、ベッドサイドでセラピストにできる支援は数多くあります。
離床への第一歩として、呼吸状態を見極めながらポジショニングを工夫したり、
呼吸筋のストレッチや体幹調整を行うことも重要です。これらの積み重ねが、
患者様の自発的な呼吸努力を高め、離床の可能性を広げることにつながります。
今後、吸引に関する知識や技術を持つセラピストが増えていく中で、
私たちが果たすべき役割はますます大きくなるはずです。
吸引そのものだけでなく、痰が生じるメカニズムや、排出を促すための評価とアプローチを正しく理解することが、
より質の高いリハビリテーションを実現する鍵になります。
2025年11月12日,19日(水)20:00-21:30
呼吸リハに必要な解剖・生理学の基礎|理学療法士・作業療法士向け呼吸リハスクール基礎編
講師:堀越 一孝 先生
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