触診に自信がないのはなぜ?|疼痛評価を変える「触れる前の判断」
「触診に自信がない」
「触っている場所は合っているはずなのに、評価や治療につながらない」
理学療法士・作業療法士として臨床に携わっていると、このような悩みを感じることは少なくありません。
触診というと、筋肉や腱、関節などを正確に触り分ける技術に目が向きがちです。
しかし、臨床で本当に重要なのは「どこを触るか」だけではありません。
患者様の姿勢や動作、疼痛の出現条件、症状の変化などから仮説を立て、
「なぜ、ここを触るのか」を考えたうえで触診することが重要です。
つまり、触診の精度を高めるためには、手の技術だけではなく、その前にある「判断する力」を磨く必要があります。
今日はなぜその判断する力をつけるべきなのかをご紹介します。
臨床推論を深めるための触診技術とは?
例えば、膝の痛みを訴える患者様に対して、痛みのある部位をいきなり触診したとします。
その部位に圧痛があったとしても、それだけで「ここが痛みの原因だ」と判断することはできません。
大切なのは、「なぜ、その場所に痛みが出ているのか」を考えることです。
立位や歩行、しゃがみ動作などで痛みがどのように変化するのか。
姿勢を変えると症状はどうなるのか。特定の動作で疼痛が再現されるのか。
こうした情報を整理しながら仮説を立て、その仮説を確認するために触診を行います。
そして、触診によって得られた情報をもとに、最初に立てた仮説を修正していきます。
この「観察→仮説→触診→解釈→再評価」という流れを意識することで、
触診は単なる「組織を触り分ける技術」から、臨床推論を深めるための評価手段へと変わります。
理学療法士・作業療法士にとって、触診技術は非常に重要です。
しかし、技術だけを磨いても、それを臨床で活かせなければ十分とはいえません。
「何となく触る」のではなく、「なぜここを触るのか」を考える。
その思考習慣こそが、疼痛評価の精度を高め、より根拠のあるリハビリテーションにつながっていくのではないでしょうか。
“触診に自信がない”の正体 |疼痛の評価は手技ではなく判断で決まる
講師:山崎 瞬 先生(スタンダードペインケアラボ / 仙台総合医療大学校 教員 / 理学療法士)
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