早期離床・早期歩行の前にまず考えておくべきこととは?
リハビリテーションの臨床現場は、常にリスクと隣り合わせです。
安全に介入しながらも機能回復を最大限に引き出すためには、一つひとつの判断に根拠が求められます。
例えば、患者様を離床させる際、どのように声をかけ、どのように動作を支援すればいいのか。
離床に先立って評価しておくべき項目は何か。
さらに、早期離床や早期歩行を進めることが推奨される亜急性期においては、合併症や全身状態に応じた注意点も数多く存在します。
特に呼吸器疾患や循環器疾患を抱える患者様では、病態や使用機器への理解が不十分なまま介入を行うと、症状の悪化や重大なリスクを招きかねません。
そのため、リスクを適切に把握し、安全性を確保しながらリハビリを展開する力が不可欠です。
しかし、実際の臨床でこうした判断に迷う場面は多いのではないでしょうか。
今日は、臨床で直面しやすい疑問や不安に対して、評価と対応のポイントを体系的に整理し、日々の実践に活かせる知識と視点についてお話したいと思います。
離床に必要な心肺機能の基礎知識は必須技能です
患者様を安全に離床させるためには、心肺機能に関する基礎知識が欠かせません。
離床は単なる「ベッドから起き上がる動作」ではなく、呼吸循環器系に大きな負担を与える行為だからです。
例えば、安静臥床が続いた患者様では、血圧調整能の低下や心拍出量の減少が起こりやすく、起立性低血圧や失神などのリスクが高まります。
また、呼吸器疾患を合併している場合には、わずかな動作でも酸素需要が急増し、低酸素血症を招く危険があります。
そのため、離床前にバイタルサインや酸素飽和度をチェックし、循環動態や呼吸状態を理解しておくことは不可欠です。
さらに、使用している補助機器や投薬の影響も踏まえた上で介入する必要があります。
基礎的な心肺の理解があることで、リスクを未然に察知し、急変を防ぐための判断や対応が可能になります。
離床の一歩は回復への第一歩であると同時に、セラピストにとって患者様の安全を守る最初の登竜門でもあるのです。
ぜひこうした知識に対して勉強をしていってくださいね。
理学療法士・作業療法士のための離床に必要な心肺機能の評価とアプローチ|一括申込
講師:奥村 高弘 先生(近江八幡市立総合医療センター 副主幹 理学療法士 循環器認定理学療法士/心臓リハビリテーション指導士/腎臓リハビリテーション指導士)
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