患者様中心のリハビリができているかどうかを評価する方法とは?
リハビリテーションの現場で、私たちセラピストが常に意識したいのは
「本当に患者様のためになる支援ができているかどうか」です。
しかし、私たちが良かれと思って提供している支援が、実は患者様の望みとはズレていたり、セラピスト側の価値観を押し付けてしまっているケースも少なくありません。
例えば園芸活動を促してみたとしても、実は土いじりが好きじゃなかった
ということも少なくありません。
そこで注目されているのが、「カナダ作業遂行測定(COPM)」という評価法です。
この手法は、患者様ご自身が「大切にしている活動」を明確にし、
それに基づいてリハビリの目標や評価を行うことができる、まさに患者様中心のアプローチを支えるツールです。
今回は、セラピストの視点からこのCOPMの魅力と実践方法について、わかりやすくご紹介していきたいと思います。
患者様中心のリハビリができているかどうかを評価する方法とは?
カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)は、
生活機能や日常生活動作の中で、本人または家族が主観的に「重要である」と感じている作業課題を選び、
その課題に対する「遂行度」と「満足度」を評価するための尺度です。
つまり、対象者自身の視点を重視しながら、その人にとって本当に意味のある作業を明確にし、
その達成度や満足感を定期的に把握するための評価法といえます。
このCOPMの大きな特徴は、あくまで評価の中心に「本人」や「家族」の価値観があるという点です。
我々リハビリテーションを提供する側にとっては、
患者様が「何を大切に思い」「どこに困難を感じているのか」を具体的に共有することで、
支援の方向性が一致しているかどうかを確認できる非常に有効なツールとなります。
また、このようにクライアント中心の評価手法を活用することで、
単なる機能回復を目指すだけでなく、より意味のある生活の再構築を支援することが可能となります。
リハビリのゴールが提供側の視点だけで設定されてしまうのではなく、
本人の希望や価値観が反映された目標設定ができる点が、COPMの大きな利点です。
しかしながら、このCOPMについて、学生時代の授業や実習で学んだという記憶がないという方も多いのではないでしょうか。
実際、私自身も学生時代にはこの評価法をしっかりと学ぶ機会はありませんでした。
そのため、臨床に出てから初めてその重要性や活用方法に気づかされたという実感があります。
だからこそ、これから臨床に出る学生や、現場で働くリハビリ職の方々に向けて、
COPMの有用性や基本的な使い方について広く知ってもらいたいと感じています。
リハビリの質を高め、より個別性のある支援を提供するために、
こうしたツールを適切に活用することは、今後ますます重要になっていくと考えています。
もし興味があるならこちらのセミナーをチェックしてみてください
作業療法士が覚えておくべきCOPM(カナダ作業遂行測定)について

講師:吉川 ひろみ 先生
県立広島大学 教授 作業療法教育学会会長
作業遂行研究会会長
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