社会参加を促すために覚えておきたい作業療法とは?
先日、訪問リハビリで伺っている患者様と屋外歩行に出かけ、
三年ぶりに卓球教室に顔を出せたと喜ばれていました。
その方はご病気を機に、こうした社会参加をあきらめられておられましたが、
今年に入って、少しずついろんなところに行きたいという意欲が出てこられました。
こうした社会参加を患者様に促すということは、我々理学療法士や作業療法士だけでなく、多くの医療従事者にとってとても重要な課題だと思います。
今日はこうしたお話をさせていただきます。
社会参加を促すために必要なこととは?
リハビリテーションの「リ」は再びという意味です。
怪我や病気により、社会で活動できなくなった人たちが、もう一度社会の一員として活躍できるように、リハビリテーションの専門職は仕事をしています。
こうした社会参加を促すためには、様々な障壁が立ちふさがっています。
患者様自身の身体能力だけでなく、社会側の受け入れ態勢というものも重要になります。
具体的には、個人や集団に存在する様々な違いについて
すべての人にとって心地よい居場所を提供し、
不公平な扱いをせず、一人一人の多様性が認められ誰もが組織に貢献できる場所というものが必要になるという考えに基づいています。
これはリハビリの現場だけでなく、社会全体に広がっており、
企業から注目されているDEIという考え方に基づいています。
作業とは社会参加の第一歩
作業療法士は日常生活動作を練習するという認識がとても強いと思います。
ですが、作業というものはいったい何を指すのでしょうか?
作業はずっと世界のあちこちで研究がなされていました。
作業とはOccupationと訳され、k露絵は職業とも訳されます。
職業は生活にとってとても重要になります。
これは仕事や労働、課題など作業に近い概念が浮かび上がります。
つまり日常生活だけでなく、社会参加を考えるうえでとても重要になるのです。
企業経営として注目されている作業の概念「DEI」とは?
DEIとはDiversity、Equity、Inclusionの頭文字をとった言葉です。
なぜこうしたことが注目されているのかというと、今の世の中、様々な人種の方々が社会進出してきています。
例えば外国人労働者のような方々が施設に入ってきていた利するのを経験している方もおられるのではないでしょうか?
こうした個人や集団に存在する様々な違いにおいても差別せず共存していくということがDiversity、そして公平な扱いや不均衡の調整をすることをEquity、一人一人の多様性が認められることこそ重要だという考え方をInclusionという考え方として知られています。
もしこうしたお話について詳しく知りたい方はこちらのセミナーをチェックしてみてください。

講師:吉川 ひろみ 先生
県立広島大学 教授 作業療法教育学会会長
作業遂行研究会会長