呼吸機能の知識はリハビリを行う上で基礎となる理由について解説します

リハビリを行ううえで、私たちは多くの知識や技術を学び、患者様一人ひとりに合わせた支援を行っています。

その中でも私が特に重要だと感じているのが、「呼吸・循環機能」に関する知識です。

これは、どのような疾患や症状を抱える患者様に対しても共通して必要な知識といえます。

 

なぜなら、人が生活するうえで呼吸が止まる瞬間はなく、安静時でも運動時でも常に呼吸と循環は働き続けているからです。

呼吸機能の評価が不十分なままリハビリを進めてしまうと、息切れや低酸素状態、血圧の急変など重大なリスクを見落とす可能性があります。

反対に、呼吸の状態をしっかり把握できれば、安全で効果的な運動療法の実施や全身状態の変化の早期発見につながります。

つまり、呼吸に関する理解は、すべての患者様に共通して求められる基礎であり、リハビリの出発点ともいえるのです。

今回はその重要性について詳しく考えていきたいと思います。

 

呼吸機能がすべての患者様に必要な理由とは?

呼吸は生命維持に欠かせない機能であり、

酸素を取り入れ二酸化炭素を排出することによって、細胞に必要なエネルギーを生み出します。

呼吸が正常に機能しない場合、体全体の機能に支障をきたす可能性があります。

特にこれから2024年問題に突入する現代社会において、

呼吸機能が低下している患者様を担当する機会は増えるといっても過言ではありません。

 

なぜなら高度経済成長期に、たばこの普及が増え

その利用者として知られている団塊の世代の方々が65歳を超え

基礎疾患として呼吸器の障害を呈しているという方々が増加することが考えられるからです。

他にも基礎疾患以外として、廃用症候群として呼吸機能が脆弱化している患者様が増えることも同様に考えられます。

 

また、呼吸は姿勢との密接な関係があります。

姿勢の乱れは呼吸の制限を引き起こし、逆に呼吸の問題は姿勢にも悪影響を及ぼすことが知られています。

一番わかりやすいところで行くと、車いす上での姿勢と呼吸、嚥下機能の問題ではないでしょうか?

骨盤が後傾し、仙骨座りで座っている状態で、水分を飲むとなかなか飲みにくいということを経験します。

それは健常な私達においても同様ですので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

 

呼吸機能を理解しているとわかる患者様の予備能力とは?

日本には約500万人のCOPD患者様がおられると言われます。

実際のところ診断が下りていないという患者様もおられるでしょう。

こうした患者様は検査をされていないとはいえ、実際ご入院された場合、

呼吸機能面が問題になってなかなかリハビリが進まないと言ったことも考えられます。

 

実際、呼吸機能が低下しているからこそ、転倒によって救急車で運ばれたという患者様も何名も経験してきました。

あなた自身も呼吸機能検査はしていないけど、結構な頻度でタバコを吸われている患者様で呼吸機能に問題を抱えているという方を経験したことはあるのではないでしょうか?

 

こうした患者様は前述したようにこれからさらに増えることが予想されます。

そのため、積極的に呼吸機能面のチェックを徹底していくことをおすすめします。

 

呼吸機能は何から勉強すればいいのか迷うあなたへ

呼吸の勉強というと、生理学や運動学と机上の勉強が多く、

なかなか手がつかないという経験をしている方も少なくありません。

私自身もかなり勉強面について苦手意識を持っていました。

 

生理学的な知識を要求される分野ですし、何より座学が多いと感じてしまいました。

そのため私自身は呼吸リハの知識はとても勉強しずらいものとして苦手意識はありました。

 

その私が苦手意識を持っていてもわかりやすかった勉強方法があります。

まずは自分自身がなぜ息切れするのか?を生理学的に考えてみることです。

そうすると自分自身のこととして勉強ができますので

ぜひチャレンジしてみてください。

もしそうしたことに興味があれば、こちらもチェックしてみてください。

 

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講師:堀越 一孝 先生

湘南藤沢徳洲会病院 理学療法士 3学会合同呼吸療法認定士

 

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