アナトミートレインは筋膜のつながりを理解するのに役立ちます
アナトミートレインは2001年に初版が発売され、
筋や筋膜のつながりから姿勢や運動機能の制御がどのように得られるかを考える技術として徐々に浸透してきました。
我々療法士界隈でも比較的人気の技術として現在でも利用されています。
特に遠隔治療と呼ばれる幹部以外のところから治療を行う技術としても知られています。
コロナ前には筋膜リリースという技術も浸透し、さらにアナトミートレインの技術が流行ったのを覚えていますでしょうか?
- 筋膜リリース
- 筋膜はがし
- 筋膜ストレッチ
今日はこうしたアナトミートレインについて考えてみたいと思います。
アナトミートレインとは?
トーマス・W・マイヤーズの「アナトミートレイン(Anatomy Trains)」理論は
体全体を繋げる筋や筋膜が、どのようにして姿勢や動作に影響を与えるのかを解明した理論です。
解剖学の教科書では、筋を単一の物として紹介しているものが多いですが、
このアナトミートレインは筋や筋膜の連結によって
すべてが複合的に繋がっているという考え方をしています。
そのため、姿勢異常や運動障害の問題点を考える上で、
筋の連結を考えることの重要性を説明していますので、
一時期、患部を触らずに治療するという技術も流行ったくらいです。
アナトミートレインは何が難しいのか?
アナトミートレインは、教科書を読むだけでは理解が難しいと感じる人が多く、そのために学ぶことを避けるセラピストも少なくありません。
確かに、筋膜のつながりは目に見えるものではなく、頭の中でイメージしろと言われても簡単ではないでしょう。
しかし私は、筋肉や筋膜の連結、そして運動連鎖を深く理解するためには、アナトミートレインの知識が非常に大切だと考えています。
例えば、投球動作を思い浮かべてください。
投げ終わりのフォロースルーの場面で、なぜ肩関節や前腕が内旋したり回内したりするのか、考えたことはあるでしょうか。
また、膝関節の変形性関節症(OA)が、なぜ特定のアライメントを取りやすいのか、その理由をしっかり説明できるでしょうか。
「運動連鎖だから」と一言で片付けてしまうのは簡単です。
しかし、運動連鎖を具体的に説明し、評価や治療に活かすためには、筋膜のつながりという視点を持つことが重要です。
アナトミートレインの理解は、こうした原因を考える一つになりうるのではないでしょうか?
アナトミートレインは難しいと感じている方へ
アナトミートレインの考え方はすごくよくわかるけど、実際に臨床で使うってなるとあんまり現実的じゃないんだよなと感じたことはありませんか?
- 本に書かれてる手技じゃ時間がかかりすぎてリハビリの現場では時間が足りない
- ストロークしようにも摩擦の抵抗が強くてうまくできない
- マッサージオイルやローションを使うと後片付けが面倒だから、使いたくない。
- 腕や脚は良いけど、体幹部へアプローチするのに服を脱いでもらうことなんてできない。
こんな理由に心当たりがあるのであれば、ぜひ今日のブログはおすすめです。
アナトミートレインは確かに筋膜連鎖の流れを理解するのに時間がかかります。
しかしながら、こうした筋膜の流れを理解することができれば
例えば足の小指を痛めた人が、なぜ腰に負担がかかっているのか?
手の指を痛めた人が、なぜ肩こりを呈しているのか?
問題を起こしている部位と異なる部位に問題が起こっている理由を理解することができます。
人の身体は筋膜でつながっていますので、こうした問題を抱えている人の治療にはとても有効なのです。
私は先日、エステで首周りの施術をしてもらってから腰が痛くなったという患者様を担当させていただきました。
こうした方の問題も、アナトミートレインの知識を利用することで、比較的治療が容易になったのです。
アナトミートレインを使った治療をご紹介します
では実際のところアナトミートレインの知識を使って
どのように治療を進めていくかを考えてみたいと思います。
たとえば今日は肩関節周囲炎についてですが、
肩関節周囲の軟部組織に対するアプローチが主流だと思います。
しかしながら、肩関節周囲炎に至る原因は
肩関節周囲にだけ問題点があるわけではありません。
実は肩関節は上腕二頭筋を通じて橈骨の骨膜、
そして母指球筋に至るまで筋膜は繋がっており、
手からアプローチをかけるというセラピストもおられるくらいです。
これを筋膜ラインというのですが、アナトミートレインではDeep Front Arm Line=DFAラインと言います。
こうした肩関節に影響を与える筋膜のつながりを理解することが
アナトミートレインの基礎知識なのです。
もしこうした知識に興味を持っているのであれば
こちらのセミナーをチェックしてみてください。
アナトミートレインを用いた評価と治療 |肩関節周囲炎に対する筋膜アプローチ
講師:乾 亮介先生
合同会社 リハティスプラス 代表 / 理学療法士
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