慢性腎臓病患者のリハビリテーション~透析患者の合併症とリスク管理~#955
松藤 勝太 先生
愛仁会 井上病院 リハビリテーション科 主任 / 理学療法士
腎機能不全患者様の病態を理解してリハビリに生かす方法を学べます
腎機能低下に対するリハビリテーションでは、どの様なリスク管理をすればよいかわかりますか?
腎機能低下は尿検査、血液検査などで診断されます。
腎臓は尿を生成し、老廃物の除去・体液量や血圧を調整、
ほかには造血ホルモンであるエリスロポエチンや活性型ビタミンDなどのホルモンの産生などを行う重要な臓器です。
これらの機能が低下した状態が慢性腎臓病です。
慢性腎臓病は様々な形でリハビリテーションの阻害因子となり、アウトカムに影響します。
このセミナーの到達目標は、『慢性腎臓病の病態を理解し合併症とリスクの管理ができるようになる』ことです。
このセミナーを受けて欲しいのは以下のような方です。
○慢性腎臓病を合併している患者さんのリハビリテーションをどう進めれば良いか悩んでいる
○慢性腎臓病の合併症を含めた病態把握やフィジカルアセスメントが苦手である
○透析をしている病院で働いているが病態の管理に苦労している
意外と知らない慢性腎臓病患者のフィジカルアセスメントを学ぶ
腎臓リハビリテーションというよりも、
透析をされている患者をどう評価してどうリハビリテーションを進めていくのか悩むことがあると思います。
その際に血液検査結果を理解することも重要ですが、それと同様にフィジカルアセスメントの理解も重要です。
慢性腎臓病は糖尿病との関係も深く、末梢動脈疾患の合併率も高いため、
全身状態を理解する必要性があります。
今回のセミナーで慢性腎臓病患者の病態把握のためのフィジカルアセスメントを学び、
リスク管理やリハビリテーションの開始・中止の判断に役立ててもらいたいと思います。
プログラム
本講義では、慢性腎臓病から透析に至るまで、
透析をされている方に対してのリハビリテーションのリスク管理を中心にお話をしたいと思います。
1. 慢性腎臓病とは?
腎臓の働きから、慢性腎臓病に至る原因やその診断方法について理解しておきましょう。
2. 透析について
慢性腎臓病のStage 5の治療のひとつが「透析」です。透析の原理やそれに伴うリスクをおさえていきましょう。
3. 透析患者の末梢動脈疾患について
末梢動脈疾患を発症・合併される方が多いです。その病態・治療方法・リハビリテーションの進め方について説明します。
4.透析患者のフィジカルアセスメント
心血管疾患や骨・ミネラル代謝異常 (CKD-MBD)等について、リハビリテーションのリスク管理について説明します。
5.症例紹介
末梢動脈疾患・心血管疾患・CKD-MBDについて、臨床現場の症例を通してさらに慢性腎臓病を理解していきましょう。