在宅・訪問分野で使えるフィジカルアセスメント#927
真鍋 周志 先生
理学療法士 / 呼吸療法認定士 / 認定理学療法士(呼吸、循環器) / 心臓リハビリテーション指導士
医学的情報がない訪問リハビリで頼りになるのがフィジカルアセスメントです
在宅という現場では自分しかいないのですべて自分で判断しなければいけません。
・救急車を呼ばないといけないのか?
・ 病院の受診を勧めた方が良いのか?
・ 主治医に報告した方が良いのか?
リハビリをするのであれば
・ 今の状態で運動しても大丈夫なのか?
・ これは運動を中止しないといけないサインなのか?
悩むことがありますよね。
そういう時にヒントを与えてくれるのがフィジカルアセスメントです。
このセミナーでは在宅分野で知っておかなければいけないリスクを回避するための
フィジカルアセスメントについて学ぶことができます。
在宅分野で必要なフィジカルアセスメントの知識とは?
フィジカルアセスメントとは、
文字通り「フィジカル(身体的情報)」を「アセスメント(分析)」することです。
血圧・脈拍などのバイタルサインだけでなく、
・皮膚の状態(色・張り)
・眼窩の色
・爪の状態
など、
状態の変化はサインとして体のどこかに現れます。
理学療法士・作業療法士は、「リハビリテーション実施の可否」や「リハビリテーションの効果」を評価・判定するためにフィジカルアセスメントを用います。
看護師は、「必要な看護ケアを明確にし、根拠に基づく看護ケアを行う」ためにフィジカルアセスメントを用います。
特に呼吸・循環器系の症状は一歩間違えるとリスクになります。
しかし、安易に「血圧が高いから」「不整脈があるから」と臥床や安静を強いていては、
活動量の低下とともに廃用症候群を招きかねません。
リスクを恐れていては効果的な治療はできません。
しかし、どのレベルまでがリスクになりうるのかをあなたはきちんと理解していますか?
フィジカルアセスメントは患者様、利用者様の『今の状態』を把握するために行われます。
緊急を要する状態なのか、様子を見てよいのか。
中には一発で判断ができるようなサインも存在しますが、
多くの情報は複数の所見を統合して判断する必要があります。
アセスメントですから、ただの情報収集ではなくて頭を使って考えないといけません。
そのためには所見を拾う能力と、病態や各種所見のメカニズムを理解しておかないといけません。
今回は循環器系に焦点を当てて、フィジカルアセスメントについてお話したいと思います。
循環器疾患患者様の在宅の現場でよくあるケース
1)訪問したら明らかにいつもと違う!
意識がないなど明らかにおかしければ救急車を呼ぶでしょう。
しかし、現場で悩むのはそこまででもなさそうだけど、でもいつもと様子が違うしどうしよう…
というケースではないでしょうか?
要するに、緊急を要する状態なのかの判断に使えるフィジカルアセスメントを学びましょう。
2)いつもよりハァハァ言ってる
呼吸に関するトラブルで多いのは息切れのような症状だけど呼吸苦はない、というようなケースです。
循環器疾患では呼吸関連症状を伴うことが多くあります。
この場合も緊急性の判断はもちろん、受診を勧めるべきか、安静にすべきかなどの判断にフィジカルアセスメントを活用します。
3)身体に浮腫がある
浮腫はよくある症状だと思います。
浮腫む理由は様々なので、そもそもなぜ浮腫むのかをしっかり理解しておいてアセスメントに生かしましょう。
4)血圧が上がった/下がったけど、何でだろう
血圧はもっともポピュラーなバイタルサインですが、意外にその活用は難しいことが多いものです。
まずは血圧が変動するメカニズムを理解し、なぜ血圧が上がった/下がったのか理解することがアセスメントのポイントです。
また、その他の所見とも合わせて判断するとより適切な臨床判断が可能となります。
このような疑問や不安を少しでも解消できるセミナーをご用意しましたので、あてはまる方は是非ご参加下さい。
プログラム
1. フィジカルアセスメントとは?
・フィジカルイグザミネーションとフィジカルアセスメントの違い
・フィジカルアセスメントの目的
2. 浮腫に関するフィジカルアセスメント
・心不全患者さんはなぜ浮腫みやすいのか
・浮腫のメカニズム
・浮腫だけではなく(血管内)脱水にも注意
3. 末梢循環に関するフィジカルアセスメント
・バイタルサイン(血圧、心拍数)から循環動態を考える
・視診・触診で末梢循環を考える
4. 息切れ、胸部症状に関するフィジカルアセスメント
・胸が痛い=虚血性心疾患?
・呼吸状態のアセスメント
・呼吸音だけ聞いてませんか?心音にも耳を傾けよう!