基礎から学ぶ!五十肩の評価方法と運動療法#884
芝 由則 先生
ひろし整形外科 リハビリテーション科科長/理学療法士
肩関節治療の最初の目標は最大屈曲を目指すべきではない
セラピストにとって患者さんの症状が緩解するという事は嬉しいもので、
それを糧に日々の診療に取り組んでいます。
しかし、なかなか結果を出せずに困る症例もあります。
そのひとつが五十肩を治療するときだというあなた。
安心してください。このセミナーではあなたの悩みを解決する糸口がつかめます。
このセミナーをご受講いただくと、
・肩甲胸郭関節・肩甲上腕関節周辺の筋の触察法を、体表上に筋マッピングを投影する過程を見ながら学べます。
・投影した筋マッピングをどのように運動療法(リラクセーション)に応用するかを理解できます。
・投影した筋マッピングをどのように徒手療法に応用するかを理解できます。
日常生活上必要な肩関節の治療方法を最大限学ぶことができますよ。
肩関節治療はまず屈曲110°を目指すべきその理由とは?
肩関節は他の部位ほど痛みや関節可動域の大きな改善が得られないため、
少々アグレッシブな治療になりがちではないでしょうか。
ここで一度確認し直したいのは、リハビリテーションの概念です。
日本の理学療法士法では
「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため~」
と定義されています。
すなわち痛みや関節可動域制限などの機能障害が残存しても、
基本的動作が遂行できる状態になれればよいという意味です。
では日常生活動作における肩関節の関節可動域はどのくらい必要か?
屈曲では更衣動作の110°が最大です。
外旋では入浴動作の60°が最大です。
さすがに外旋60°は難しいケースも多いですが、
そこは補助具等を活用しましょう。
無痛性の屈曲110°は十分に目指せる目標です。
それが獲得できればほとんどの日常生活が問題なくなります。
まずはここを目指しましょう。
理学療法で肩を壊してしまわないためにも、
今回は無理なくその目標を達成できる方法をご紹介いたします。
プログラム
セッション1
肩甲胸郭関節周辺の筋の触察~運動療法~徒手療法
対象筋:僧帽筋、前鋸筋、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋、小胸筋
セッション2
肩甲上腕関節周辺の筋の触察~運動療法~徒手療法
対象筋:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、大円筋