嚥下機能に対するリハビリテーション~姿勢と嚥下の関係について~#824
伊藤 文香 先生
大阪回生病院 / 理学療法士 / 呼吸・スポーツ・補助具認定理学療法士
理学療法士も作業療法士も嚥下機能をきちんと評価してくべきです
臨床で車椅子座位姿勢が仙骨座りになっている患者様をよく目にします。
その患者様を診て、このように考えるセラピストは大半だと思います。
仙骨に褥瘡ができそう
体幹機能が低そう
では患者様の姿勢を見て、嚥下機能を評価したことはありますか?
不安定な姿勢で、安全に、そして快適に、口に入れ、咀嚼し、飲み込むことが出来るでしょうか。
それどころか誤嚥を誘発してしまい、むせこんでしまいます。
このような状況がずっと続くと、あなたは食事を取りたいと思うでしょうか?
食事が苦痛になり、次第に食べなくなります。
すると低栄養状態が続き、褥瘡ができてしまいます。
そして、更に食事を取ることができなくなるという悪循環に陥るわけです。
これからの時代は理学療法士・作業療法士も摂食嚥下に力を入れていかなければいけません。
嚥下機能が低下すると栄養状態が悪化し、運動療法効果は半減します
リハビリテーション栄養という概念が横浜市立大の若林Drも低栄養患者様がリハ病棟では圧倒的に多いと話されていました。
それは食事に対する意欲が低下しているだけではありません。
意欲を低下させるだけの環境を評価できていないから、精神的に食事が摂れないという考え方も持たなければいけません。
もしあなたが患者様のリハビリで行き詰まっているのであれば、食事がしっかりとれているのか?
どのようにすれば食事が摂りやすくなるのかを考えられるように、
これからの臨床では考えていくべきだと思いませんか?
嚥下機能が理学療法士も作業療法士も評価できるとチーム医療が円滑に
摂食・嚥下機能の評価は言語聴覚士が評価しなければいけない
これはどの病院でも共通の認識かもしれません。
しかしながら前述したとおり、嚥下機能を行うための【環境】が崩れてしまえば
本来保有している嚥下機能は正常には働きません。
正常な姿勢だからこそ、本来保有している嚥下機能が働くわけです。
摂食・嚥下機能は主に言語聴覚療法士が評価しますが、
嚥下機能を支える姿勢を評価し、共に嚥下機能にアプローチしていくのは、
私達理学療法士・作業療法士であるべきではありませんか?
このセミナーでは姿勢による嚥下への影響についてお話しいただきます。
もしあなたが患者様のリハビリで行き詰まっているのであれば、食事がとれているのか、どうすれば食事がとりやすくなるのか、このセミナーで学んでみませんか?
多くの受講生様のご参加を心よりお待ちしております。
プログラム
1.嚥下の仕組み
2.なぜ誤嚥するのか
3.姿勢と嚥下の関係
4.ポジショニングを含めた治療アプローチ