若手セラピストのための頸部と脊柱アライメントの姿勢・動作分析と臨床推論#792
安藤 正和 先生
安藤治療院 理学療法士、鍼灸師
あなたは上司から動作分析ができていないから治療ができないのだ
と言われたことはありませんか?
・動作分析が苦手
・何が問題かわからない
・歩行については、動きが速すぎて捉えられない
・そもそもそれを文章化する意味ってあるの?
・学生時代から言われ続けて、考えるのが億劫
こうした悩みは実は少なくとも新人セラピストの半分以上が持っているといっても過言ではありません。
なぜなら、学生時代にさんざん動作観察・動作分析を書かされているはずです。
私自身もそうでした。レポートの8割は動作分析だったこともあります。
ですが逆を言えば、姿勢・動作分析こそセラピストの評価の真骨頂なのです。
評価の核心は、問題となるA D L動作の原因=動作を構成する何が問題かを探すことです。
いくつかの仮説を立てては潰す。その工程で何度も動作を観察する。
そこで生じる患者様の動作の「違和感」には、いくつか我々の共通の条件から逸脱した問題が隠れています。
「違和感」とは、我々が言葉を介さずに理解できる感覚ですが、そもそも我々の「正常動作」とはなんでしょうか?
このセミナーでは、頸椎アライメントが脊柱に与える影響について
解剖学的、運動学的に学習したうえで、患者様の動作分析の方法を説明します。
また動作分析だけではなく、何が問題になるのか、どこを見るべきなのかを考え
自分の理解度を把握したうえで、どのように治療を進めるべきかを学ぶことができます。
このセミナーを受講することで動作分析の見るべき方法がわかるヒントになれば幸いです。
若手の理学療法士・作業療法士が動作分析に苦手意識をもつ理由とは?
「学生のころから動作分析が苦手でした」
こうした意見は動作分析が苦手なセラピストが口をそろえて話します。
それはなぜなのか?
原因は、動作分析をする際に、見るべき動作を最初から最後まで動作観察し
その動作を文字に起こして説明するところから入るからです。
その観察を一から覚えておいて、すべて文字に起こしてその問題点を考えて・・・
なんて過程をずっと繰り返すから、私たちは動作分析が苦手になるのです。
でも実は動作分析をするうえで重要なことは
まずその一つ一つの動作を文字に起こして現象を把握することではありません。
「受傷した原因や疾患を理解すること」
ここから始めるべきです。
なぜならあなたは一日何人の患者様を治療しますか?
その患者様一人一人の動きをすべて覚えていますか?
覚えるにも限度があります。
その患者様の疾患の特性をしっかり把握して、問題が起こるであろう場面や個所を理解し
端的に治療をしていかなければ、間に合いません。
動作分析は正常な動作を理解すべきだと言われて悩んでいませんか?
私は学生時代によく言われました。
・あなたは正しい動作が理解できていない
・基本動作が頭に入っていない
・正常動作を知っていますか?
正常動作って何?と思いませんか?
寝返り一つをとっても千差万別です。人によって寝返りの方法なんて決まっていませんし
そもそも自分の寝返り一つとっても、同じ動作で毎回行っているわけではありません。
なのに正常動作って何?と。
その気持ちは痛いほどよくわかります。
ですが、その患者様の動作を見て、効率的なのかどうか
代償的な動作なのかどうかをまず理解するために、
「その動作の特性」を把握する必要があるのです。
たとえば寝返りだけで考えてみましょう。
寝返りの最初の動きは眼球の動きだと言われています。
ですが、それは一般論です。
そうでない方もいっぱいいますが、ようは眼球の動きは起こるということです。
また体幹の回旋をするうえで、肩甲帯は外転位になり、
背面を彎曲することで寝返りをしやすくしています。
こうした「効率的な動き」は理解しておくことが重要になります。
ここがわかっていれば、疾患を当てはめ、その症状が阻害するであろう場面を想像することで
動作分析が容易になるのです。
頸椎疾患や脊柱のアライメント不良の改善方法を動画で解説します
今回のテーマは頸椎アライメントや脊柱アライメントの不良における
問題点の解決方法を動画を通じて動作分析を学びます。
頸椎アライメントの不良は可動域の低下や脊柱のアライメント不良だけではなく
姿勢、バランス機能の問題にも影響してきます。
例えば側方や前方へのリーチ動作の際に重心が支持基底面外に偏移した場合、
この重心位置を調整するのは頭頚部アライメントによるものです。
もちろん足部や股関節も姿勢戦略として働きますが、頭頚部のアライメントが適切な位置関係になければ
起立動作や歩行動作はの患者様の本来持っている筋骨格系に沿ったものでではありません。
本セミナーでは頸椎疾患やアライメントの不良について動画を用いて解説していただきます。
プログラム
1 頭部の系統発生学的見解
2 空間上での頭部−肩甲帯アライメントの特性
3 椎弓切除術術後症例の動作分析=評価
4 治療介入への思考
