脳の働きを知る~脳神経科学の基礎から学ぶ運動学習について~#176
小西 勇亮 先生
りんくう総合医療センター / 理学療法士
その問題は身体機能?高次脳機能?
高次脳機能障害を理解するために必要な脳科学の基礎を学ぶ
記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害
これらは日常生活上問題になることはもちろん、リハビリを進めていく上でも障害になることは、皆様もお分かりのことと思います。
指示を理解できない
動き方がわからない
注意散漫である
意思疎通ができない
同時に別のことが出来ない
これらは私達にとっては当たり前に出来ることなのに、なぜ出来なくなるのでしょうか?
逆に、どのような工程で私達はこれらを遂行することができるのでしょうか?
高次脳機能の理論を理解できれば、その患者様のリハビリの進め方がわかります。
逆に、同じ運動をしていても、高次脳機能障害を考慮せずに進めると、非効率的な治療になってしまいます。
あなたの治療技術の幅を広げるために、まずは脳の働きの基礎を徹底的に学んでみませんか?
概要
現場において、急性期や回復期、また慢性期の、どの時期においても
失語症や失行症・半側空間無視など、高次脳機能障害を呈している患者さんをみかけることはありませんか?
また、小脳失調やパーキンソン症候群様のすくみ足など片麻痺とは違った特徴的な運動障害の患者さんをみかける場面も多いかと思います。
神経学的な身体所見や検査等で診断はついたものの、実際の治療をどのように進めていけばいいかわからず悩むことが多いのではないでしょうか?
目に見えない(脳内過程)部分を、目に見える(身体運動)部分から、いかに分析・推察するか。
高次脳機能障害の理解の困難さはそこにあるかと思います。
昨今、脳神経科学の発展により、少しずつ解明されつつある脳機能とそのネットワークについて理解し、病態を解釈することで、回復への道筋が立てるのではないでしょうか?
内容
1 脳の可塑性と運動学習について
2.左脳機能と高次脳機能障害(失語症・失行症など)
3.右脳機能と高次脳機能障害(USNなど)
4.小脳機能と病態について
5.大脳基底核の機能と病態について
