姿勢制御における感覚機能へのアプローチ#1263
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講師:光武 翼 先生
福岡国際医療福祉大学
医療学部 理学療法学科 講師
臨床の中で片麻痺患者様の治療を行う上で、転倒リスクをいかに回避するかは重要です。
その中でどのように姿勢制御を獲得していくかで悩むセラピストは少なくありません。
- 麻痺側への感覚入力方法がわからない
- 姿勢制御コントロールについての考え方がわからない
- うまく歩行動作自立を促すためのアプローチ方法を教えてほしい
このように悩んでいる若手セラピストにはオススメのセミナーになります。
片麻痺患者の転倒予防には感覚入力が重要です
姿勢の安定性は個人の身体機能や環境、運動課題に対して、
予測的姿勢制御や反応的姿勢制御、随意的な姿勢制御、生体力学的制御など
様々な要因が相互に補完することで保持しています(Horak FB, et al. 2006)。
その要因の一つとして、
視覚、体性感覚、前庭覚から構成される感覚戦略も重要な役割を担っています。
日常生活では一つの感覚情報だけでなく、
複数の感覚情報を統合することで姿勢を制御しています。
そのため、状況に応じて視覚、体性感覚、前庭覚の重み付けを変える感覚戦略が、
転倒予防の観点から必要となります。
どの感覚情報を優先するのかは疾患特異性があり、
例えば、脳卒中患者は感覚戦略方法に個人差があるものの、
視覚への依存傾向が示されています(Bonan IV, et al. 2013)。
脳卒中患者は発症後数ヵ月間が感覚運動機能の適応期間であり、
感覚の再比重(再加重)を促すことで転倒しにくい動作能力を構築する可能性があるという報告がされています。
(Bonan IV, et al. 2015; Mitsutake T, et al. 2020)
今回のセミナーでは各感覚情報と姿勢制御機能の関係性を提示するとともに、
体性感覚や前庭覚刺激時の脳活動や電気刺激を用いた評価方法を紹介します。
さらに、これまで眩暈や前庭疾患患者に行われてきた前庭覚へのアプローチを、
姿勢制御機能を向上するための新たな治療戦略の一つとして提示できればと考えています。
プログラム
・感覚戦略とは
・姿勢制御における感覚戦略の位置付け
・視覚と姿勢制御
・体性感覚と姿勢制御
・前庭覚と姿勢制御
・感覚戦略の評価方法
・感覚機能に対するアプローチ
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