股関節の評価と治療#121
小野 志操 先生
京都下鴨病院 理学療法部 主任理学療法士 / 理学療法士、専門理学療法士(運動器)、整形外科リハビリテーション学会上級指導員(認定AA)、修士(健康科学)
新人のセラピスト必見!股関節のスペシャリストになる為に必要な知識をあなたに!
股関節疾患の運動療法はこう進めていく!触診評価を交えた実技講習会!
股関節疾患の治療で、困ることは、
「筋肉を個別に触れない」
「術創部を触ってしまいそうで怖い」
「筋肉が複雑に重なっているので、イメージ付かない」
「どのように運動療法を進めていけばよいかわからない」
という意見が多いと思います。
臨床の中で多いTHAや関節外骨折に対するOPE後リハビリテーションを進めるにあたって、「どこから侵襲しているのか」はとても大切な情報になります。
どの筋を切離しているのか、避けているのか、どこの筋が弱化しやすいのか、それに伴ってどのような代償動作が出現するのかを予測することが出来るようになります。
予測が出来れば、どのような運動療法を進めていけばよいかが自ずと理解できるようになります。
また、変形性股関節症であれば、臼蓋と骨頭のアライメントから起こる関節内ストレスが、どのような痛みを出現させるのかが理解できます。
どこで痛みが生じているのか?それに対してどのようにアプローチすればよいのか?これを理解するのが股関節疾患の治療では難しいのです。
本セミナーでは、股関節疾患の痛みが、なぜ出現しているのか、それをどのように評価すればよいのか、
また、運動療法はどのように進めていくべきなのかを、順を追って説明していただき、実技を交えてご講義頂きます。
今回ご講義頂く小野志操先生は京都下鴨病院でご活躍の中、整形外科リハビリテーション学会の京滋支部でもご活躍で、股関節や膝関節の様々な論文も発表されておられ、とても有名な講師です。
ぜひここで確かな技術を学ぶため、今一度自分の技術を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
【概要】
本セミナーでは午前中に股関節痛の病態と、股関節周囲の解剖について解説した上で、午後からは治療の基本となる、触診技術と具体的な評価方法および運動療法について実技を含め紹介していきます。
その中でも、股関節をより深く理解していただくために、股関節前部痛という症例についてご紹介致します。
いわゆる鼠径部痛と総称されるような、股関節痛を主訴とする患者さんは、臨床の中でよく見かけるかと思います。
ですが、最近までその原因についてはよく分かっていませんでした。
この10年間で股関節唇損傷という病態が認識され始め、股関節痛の原因として非常に重要であると考えられています。
本邦においても2014年の日本股関節学会で股関節唇損傷の診断基準案が策定されています。
股関節前部痛(股関節唇損傷)のことをFemoroacetabular impingement(以下、FAI)と呼びます。FAIは2003年にスイスのGanzらのグループによって提唱された概念です。
股関節を形成する骨盤臼蓋や、大腿骨の骨形態異常が、繰り返しの外力によって股関節唇損傷を引き起こすことが明らかとなっています。
近年アメリカのLarsonらのグループによりSubspine(AIIS)impingementという概念も提唱され、股関節前部痛に対する理解は飛躍的に前進しています。
これらの股関節前部痛の病態解釈を踏まえて、受講生の皆様には股関節周囲の機能解剖を、しっかりと理解していただこうと思います。
【スケジュール】
股関節前部痛の疾患概念
股関節周囲の解剖とその機能
股関節周囲の触診
股関節前部痛に対する評価と実技
股関節前部痛に対する運動療法と実技
