半側空間無視を呈する患者様のリハビリは声掛けや環境にこだわろう
半側空間無視を呈する患者様のリハビリを担当した経験はありますか?
脳血管疾患において、右半球障害の一部の患者様に半側空間無視を認めることをしばしば経験すると思います。
こうした患者様のリハビリにおいて、あなたはどのようなかかわり方を心掛けていますか?
私は半側空間無視を呈する患者様のリハビリにおいては、環境設定をとても重要視しています。
患者様の自分自身の身体に対する認識だけではなく、患者様の見えている環境にどのように関わるかがとても重要だと感じているからです。
今日はこうしたお話をさせていただきます。
半側空間無視を呈する患者様のリハビリで重要なこととは?
右半球障害の一部の患者様に半側空間無視を呈するというお話を前述させていただきました。
こうした症状を呈する患者様は、リハビリを行う環境に特に配慮が必要になります。
なぜなら半側空間無視とは視空間認知の障害に分類され、左右の視野に注意を等分に分ける能力や、自分を空間内に定位する能力、空間内の対象物に手を伸ばして到達させる能力が障害されるからです。
つまり、空間内に自分の身体をどのように定位させるかが困難になるため、
リハビリ室のように大きく、様々な刺激が多い環境下では、
うまく自分自身の身体をコントロールすることが難しくなるのではないかと思うからです。
他にも半側空間無視を呈する患者様のリハビリでは、病態失認や感情や情動障害、コミュニケーション障害などの合併症が出現する可能性があります。
そのため、リハビリに集中する環境でのかかわり方が重要になると感じています。
半側空間無視の患者様に対する声掛けの方法とは?
半側空間無視を呈する患者様のリハビリについては環境調整やリハビリの際の声掛けなどが重要になります。
しかしながら実際のところどのような声掛けをしたり、どのような環境調整が必要かわからないというかたも少なくありません。
特に日常生活の中における環境調整を徹底しないとなかなか日常生活動作が実用的にならないという患者様は多く、こうした環境調整は必須技能です。
脳血管疾患に対する声掛けのポイントとは?
さて、リハビリに対する声掛けはとても重要です。
その際の声掛けはポジティブ名声掛けを心掛けるべきだと先日、森ノ宮病院の紀伊先生からもお話がありました。
ポジティブな声掛けは脳内の開館と意欲の場である側坐核という部位からエンドルフィンやドーパミンが分泌されます。こうした脳内物質は不安や葛藤を呈する偏桃体の活動が小さくなるのです。
だからこそ脳血管疾患の患者様だけでなくどのような患者様に対しても
ポジティブな声掛けを心掛けることが重要になるのです。
こうした脳血管疾患を呈する患者様のリハビリについて、今一度考えなおしてみませんか?
講師:宮内 貴之 先生(湘南医療大学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻 専門作業療法士(脳血管障害)
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