高齢者の姿勢制御能力を高めるための評価方法とは?
- 患者様のバランスが悪くて転倒リスクが高い
- なかなかADLが自立に至らない
- 姿勢制御がうまくいかず、ADLが自立に至らない
そう感じる方は少なくありません。
こうした原因の一つには姿勢制御という概念について考えていくべきです。
でもなかなか難しいと感じる方もおられるのではないでしょうか?
そもそも姿勢制御をどこで行っているかわからないという方もおられるでしょう。
今日はこうした内容について少し触れてみたいと思います。
姿勢制御で考えておくべきこととは?
高齢者のリハビリや脳卒中片麻痺患者様のリハビリにおいて、
体幹機能の評価を行っているセラピストは多いと思われます。
体幹は頭部と四肢の協調運動を行う上でとても重要な役割を担い、
より選択的に動かせることが求められているのです。
しかしながら高齢者や脳卒中片麻痺患者様のリハビリにおいて、
こうしたことが破綻していることが良くみられます。
そのためうまくバランスが取れないという場面に遭遇しているはずです。
だからこそ体幹機能の評価やリハビリを徹底して行っておられると思いますが
姿勢制御は本当に体幹で行っているのでしょうか?
実は姿勢制御は体幹だけではありません。
頭頚部や視覚、股関節や足関節といった
様々な場所で姿勢制御を行っています。
例えば私達であれば安静立位姿勢を取っているとしましょう。
そうした場合においては足関節における姿勢戦略はとても重要な役割を担います。
他にも眼球運動は視覚情報を得るために重要な役割を担います。しかしながらこうした評価をされている方は少ないのではないでしょうか?
姿勢制御を考えるうえで身体の各部位の評価を徹底する必要があります
歩行の自立にあと一歩届かない
そんな経験を臨床でされた方も多いのではないでしょうか。
歩行の安定性向上は、リハビリテーションにおいて最重要課題の一つと言っても過言ではありません。
その安定性を高めるためには、まず姿勢制御がどこで、どのように行われているかを理解することが必要です。
ヒトは特に視覚情報を用いて周囲の環境に適応し、自身の平衡感覚を維持します。
そのため、頭部の立ち直り反応や頭頚部の可動性は詳細に評価する必要があります。
加えて、足部の姿勢戦略も見逃せません。
足部は床反力を適切に受け、バランスを取るための基盤です。
足部アーチや足関節の可動性を評価し、適切な荷重分散ができているか確認することで、より安定した歩行を獲得する手助けとなります。
体幹の姿勢制御を評価するなら座位や寝返り動作練習を徹底しよう
また、抗重力伸展活動において、体幹機能を考えることはとても重要です。
特に、肩甲骨が胸郭上で安定することで、体幹機能を効率よく働かせることができます。
また、四肢を協調的に働かせながら、座位や立位を獲得していくためには体幹機能の働きはとても重要になります。
こうした動きは歩行や立位動作で評価するのではなく
座位や起き上がり動作を中心に評価し、徹底的にリハビリを進めることをおすすめします。
なぜならこうした姿勢や動作では肩甲帯や体幹を徹底的に働かせなければ
うまく動作を行うことができないからです。
そのため、こうした機能についての理解を深め、
姿勢制御をどのように行っているのかを理解することが、
姿勢制御を考えるうえで重要になります。
エポックセミナーではこうした姿勢制御を部位ごとに分け、
若手セラピストにわかりやすい内容をご提供させていただいております。
もしあなたがこうした内容に興味を持っているのであれば、ぜひこちらのセミナーをチェックしてみてください。
足部・足関節から考える転倒予防に必要な方向転換に伴う姿勢制御の考え方

講師:篠原 崇志 先生
パーソナルケアEGAO / 理学療法士
内臓ストレッチマスターインストラ