ベッドサイドにおける離床で考えるべきこととは?
急性期や回復期において患者様の離床を担当するセラピストが苦手意識を持つ理由の一つに
患者様の急変が挙げられると思います。
こうした場面はできれば出会いたくないと感じる方も少なくありません。
そのため、離床をあきらめベッド上で安全な内容だけですすめているという方もおられるのではないでしょうか?
しかしながらこうした事態を防ぐためにも
- 患者様の病態を理解
- 循環機能や呼吸機能
- 患者様に投与されている薬剤
- 検査所見
- フィジカルアセスメント
これらの情報をしっかりと把握してリハビリに臨むことで危険を避けることができます。
そのために覚えておきたいことについて今日は解説したいと思います。
ベッドサイドにおける離床に必要なこととは?
まず、患者の状態を正確に評価することが基本です。
心機能や運動能力、日常生活動作の評価を行い、
個々のニーズに応じたリハビリテーションプランを考えます。
特に、心臓リハビリテーションでは、運動療法が中心となりますが、
無理のない範囲での運動を推奨し、心拍数や血圧のモニタリングを行うことが重要です。
次に、患者教育が不可欠です。循環器疾患に関する知識を患者に提供し、
生活習慣の改善や薬物療法の重要性を理解させることが求められます。
特に、食事や運動、ストレス管理について具体的なアドバイスを行い、
自己管理能力を高める支援を行います。
また、胸痛や息切れ、異常な疲労感などの症状が現れた際には、すぐに医療機関を受診するよう促します。さらに、家族や介護者への教育も行い、サポート体制を整えることが急変予防に寄与します。
もし万が一急変してしまった時の対処法とは?
リハビリの現場において、患者様の急変はできる限り避けたい重大な事態です。
しかし運動療法とは、そもそも安定した状態からあえて身体に負荷をかけ、
不安定な状況へ一時的に誘導することで回復を促すアプローチです。
たとえば心不全の患者様に運動療法を行う場合、
心臓にある程度の負荷がかかることは避けられません。
もちろん、どの程度の運動が可能かは医師と相談のうえで判断されるでしょう。
それでも、運動中に胸痛や意識消失などの症状が出た際、
セラピストとして冷静に対処できるかどうかが問われます。
そうしたときに必要なのが、BLS(一次救命処置)の知識と技術です。
あなたは、その対応力を持っていますか?
急変時対応で覚えておくべきBLSとは?
BLSとは(Basic Life Support)の略称で、
心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことになります。
専門的な器具や薬品などを使う必要のないBLSは、正しい知識と適切な処置方法を知っていれば誰でも行うことができます。
病院で勤務していれば、医師や看護師が近くにおられ、すぐに飛んできてくれるという安心感があるという方もおられると思います。
しかしながら、その短時間でもきちんとした対応方法を理解しているかどうかで救命確率は格段に上がります。
例えば病棟内歩行練習ではなく、屋外歩行を行っていた時に、もし万が一患者様が急変したらあなたはどうしますか?
こうしたことを考えて、患者様の命を守る行動を覚えておきましょう。
最後に、チーム医療の一環として、医師や看護師、栄養士と連携し、
包括的なケアを提供することが大切です。こうした情報をぜひ皆さまの頭の片隅において対応してみてくださいね。
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講師:奥村 高弘先生(近江八幡市立総合医療センター 副主幹 理学療法士 循環器認定理学療法士 心臓リハビリテーション指導士 腎臓リハビリテーション指導士)
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