脳卒中片麻痺患者様が床からの立ち上がりを獲得すべき理由とは?
脳血管疾患の患者様において、床からの立ち上がり動作は日常生活動作(ADL)の自立度を大きく左右する重要な能力です。
もちろん在宅復帰を行う際に、床に座る生活から、ベッドでの生活への変更を提供することもあると思いますが、
ベッドや椅子が近くにない状況でも、安全に姿勢を変えられることは転倒予防にも直結します。
しかしながらなぜ立ち上がり動作練習に注目してリハビリをしなければいけないのでしょうか?
今日は立ち上がりという動作について考えてみたいと思います。
立ち上がり動作とはどのような要素が必要になるのか?
立ち上がり動作は座面という狭い支持面から足底面というより狭い支持面へ重心を移動させる動作であると同時に、
重心位置を高く持ち上げるという抗重力伸展活動が必要になる動作です。
また、立ち上がりには下肢筋力だけでなく、体幹機能・バランス能力・協調性といった全身の運動要素が必要となり、
これらの評価や練習はリハビリの質を高めるうえで不可欠です。
脳卒中片麻痺患者様が立ち上がりを練習することで見えてくることとは?
立ち上がり動作練習は椅子からだけでなく、床から立ち上がるという動作練習も必要になります。
床からの立ち上がり練習は、自宅での生活を想定しての練習である一方、
万が一転倒したときに自分でどのように起き上がるかの練習にも直結します。
床から立ち上がるためには様々な要素が必要になります。
・股関節や体幹の可動域
・筋出力
・支持基底面内での重心移動
・バランス能力
こうした要素が複合的に働くことで床からの立ち上がりを形成します。
しかしながら、例えば脳卒中片麻痺患者様では、支持基底面の確保や重心移動が難しく、非麻痺側への過剰代償が起こりやすくなります。
この動作を練習することで、体幹と下肢の協調性、支持性、バランス能力が向上し、対称性のある荷重が獲得しやすくなります。
また、床から立ち上がるまでの過程には、四つ這い・膝立ち・片膝立ちなど多様な姿勢変換が含まれ、これらは歩行や立位保持の基礎能力向上に直結します。
さらに、床から自力で立てるという成功体験が、転倒時の恐怖心軽減にもつながります。
そのため床からの立ち上がり練習は、機能回復・安全性向上・生活の安心感の獲得という複数の観点から不可欠な訓練といえます。
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脳卒中片麻痺患者様の基本動作におけるリハビリの進め方|立ち上がり動作
講師:伊藤 克浩 先生
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