訪問現場で違和感を感じたときに考えるべきこととは?
訪問現場では患者様のちょっとした変化に疑問を持つことが大切です。
先日、私が訪問した際にも
「目が充血している」
「頻繁にあくびをしている」
といった患者様を担当しました
。一見すると「疲れているだけ」「よくあること」と思いがちですが、こうしたサインの裏には、睡眠障害や薬の副作用、酸素不足など、見逃してはいけない原因が隠れていることもあります。
日々の訪問で慣れが生じると、小さな変化をいつものこととして処理してしまいがちです。
しかし、ほんの少しの違和感を見逃さず、「なぜそうなっているのか?」と疑問を持つ姿勢が、重大な異変を早期に見つける第一歩になります。
今日はその重要性について考えてみたいと思います。
訪問現場で覚えておくべきフィジカルサイン|目の充血は何を訴えているのか?
【目が充血している】
といった原因を考えるうえで循環器系の問題を考えることはとても重要な視点です。
目の充血は
- 目の疲れ
- ストレス
- 目のかわき
- 睡眠不足
- 過剰な飲酒
- タバコの摂取
- 血圧の上昇
- 目の病気
など、様々な原因によって引き起こされます。
また、高血圧が原因で、網膜の毛細血管が障害されると、
網膜に血液が届きにくくなり、出血や浮腫が起こります。
特に、網膜の中心にある黄斑に出血や浮腫が起こると、視力低下の症状がみられます。
こうした問題を我々は考えておく必要があるのです。
今回の患者様は睡眠不足が原因で目が充血していたようです。
そのためなかなかリハビリに集中できないという問題を抱えておられました。
あくびは見逃してはいけないフィジカルサイン
ある患者様は訪問時によくあくびをしておられました。
あくびだけを考えると寝れていないのかなと思わないこともありませんが、
こうした問題は実は重大な問題を抱えているということも少なくありません。
今回の患者様は血圧が低下しており、収縮期血圧が90を下回るということがありました。
実はこうした低血圧や貧血などが問題で、脳への酸素供給が十分でない場合にあくびが出るということが考えられます。
もしこうしたことで覚醒を促そうと歩行練習をしているとどうなるか。
考えるだけでも怖いですよね?
我々セラピストは患者様の身体に出現している問題を適切に捉え、
リスク管理をしていかなければいけません。
こうした身体症状から、患者様の身体に出現している違和感を察知できるようにしていけるようにしましょう。
傾眠傾向は何を示しているのか?
他にも患者様の傾眠傾向は、よく臨床の中でも経験する症状だと思います。
そうしたときに私達が考えておくべきことは何でしょうか?
単に眠そうだなと流すのではなく、なぜそのような状態になっているのかを多角的に捉える視点が重要です。
まず、薬の影響や睡眠不足、生活リズムの乱れ、認知機能の低下、環境刺激の少なさなど、さまざまな要因が考えられます。
特に高齢者では、複数の薬剤を服用していることが多く、副作用として傾眠が現れることも少なくありません。
また、傾眠が進むと、リハビリへの集中力低下や転倒リスクの増加、
活動量の低下にもつながるため、見逃してはいけない重要なサインでもあります。
私たちは常に、傾眠の背景にある原因を探り、
必要に応じて医師や他職種と連携しながら、環境調整や刺激の与え方を工夫していく必要があります。
もし訪問現場で患者様が状態不良に陥ったらどうすべきか?
ではもし訪問現場で患者様が状態不良に陥ったらどのように自分は行動すべきなのでしょうか?
まずは患者様を安静にすることが第一です。
その次には各職場においての緊急時マニュアルを思い出すようにしてください。
私の場合はまず看護の管理者への連絡を行います。
もし施設でのリハビリを実施しているのであれば、施設の緊急時マニュアルに従うのが一番大切かもしれません。
その時に自分が何をできるのかをきちんと把握しておくことをおすすめします。
もし在宅で誰にも助けを呼べない状況であれば、救急車を呼ぶということも覚えておくべきですね。
訪問現場では緊急時の対応を自分が対応しなければいけないことは少なくありません。
そのためこうしたことをきちんと覚えておくようにしておきましょう。
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講師:早山 敏弘 先生(坂出市立病院 / 理学療法士 / 認定理学療法士(運動器、循環))
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