高齢者のリハビリにはフレイルやサルコペニアの理解が欠かせない理由とは?
病院で働いていると、高齢者の転倒をきっかけに発症する運動器疾患を担当する機会は少なくありません。
こうした患者様のリハビリを進めるうえで必要になるのは、まず関節や筋骨格系に関する基本的な理解です。
特に五大関節の構造や機能は治療計画を立てるうえで欠かせません。さらに、運動療法の内容を適切に選択し、実践する力も必要になります。
また、外傷後に生じる炎症や腫脹といった病態生理について理解しておくことも、臨床の現場では重要です。
しかしながら、これらの知識だけで十分とは言えません。実際に患者様を担当していると、意外と見落とされがちな視点があると私は感じています。それは「栄養学」に関する理解です。
高齢者では筋力や骨量の低下が転倒や骨折のリスクを高めることが知られていますが、その背景には慢性的な低栄養やたんぱく質不足が関与している場合も少なくありません。
適切な栄養管理がなければ、せっかく運動療法を行っても十分な効果が得られないことがあります。したがって、理学療法や作業療法を行う際にも、栄養状態を把握し、必要に応じて管理栄養士と連携する視点が求められます。
リハビリ専門職にとって栄養学は決して周辺的な知識ではなく、臨床成果を大きく左右する要素であると言えるのです。
なぜそれが必要なのかを今日は解説します。
運動器疾患をフレイルやサルコペニアから理解しよう
あなたはフレイルやサルコペニアという言葉を聞いたことはありますか?
フレイルとは、身体機能の低下により、ストレスへの抵抗力が減少した状態を指します。
また、サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉量の減少と筋力の低下を指します。
フレイルやサルコペニアと栄養学の知識は密接に関連しており、栄養状態がこれらの状態の予防や改善に大きな影響を与えます。
例えば筋肉の維持には十分なタンパク質の摂取が不可欠です。
特に高齢者は、筋肉合成の効率が低下するため、
推奨されるタンパク質摂取量を意識する必要があります。
しかしながら、独居老人や高齢者の在宅生活を垣間見ると、
めんどくさいから食事をしないということや、
食欲不振や食事に対する苦手意識など様々な原因により、
食生活の乱れがあることがよくわかります。
こうしたことが影響して高齢者の運動器疾患が出現しているといっても
過言ではないと私は考えます。
そのため、高齢者の運動療法を処方していても
なかなか筋肉がついてこないということも良く経験しています。
もし同じような経験をしたことがある方はこちらのセミナーをチェックしてみてください。
理学療法士・作業療法士のための心リハとフレイルの関連性について|心リハスクール実践編
講師:真鍋 周志 先生
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