回復期で働く理学療法士や作業療法士にこそリスク管理の技術が欠かせない理由とは?

回復期で働いているときは脳血管疾患の患者様だけでなく、神経難病のような患者様に対してのリハビリを担当する機会は多いのではないでしょうか。 

私自身も回復期で働いているときは、療養病棟で患者様の離床を促したりすることは多かったことを記憶しています。

こうした患者様は原疾患だけでなく、基礎疾患として様々な疾患を有していることが多く、特に内科系疾患の知識は欠かせませんでした。

そんななかでも呼吸機能をいかに評価すべきかという知識は特に欠かせません。

その理由について今日は考えてみたいと思います。

 

回復期リハで働くなら呼吸機能のチェック技能が必須な理由とは?

運動器疾患の方でも、心疾患や呼吸器疾患を既往にもつ方は多いと思います。

心疾患を合併している場合には、呼吸器にも影響を及ぼす可能性も高くなります。

脳卒中片麻痺で呼吸筋に影響をすることもあります。

嚥下機能にも影響することもあります。誤嚥をしてしまう方もいます。

何気なくリハビリをしている目の前にいる患者様の呼吸に本当に問題はないでしょうか?

 

説教的にリハビリを進めていきたいと考えている。

でもなかなかうまく進まないということは多いと思います。

 

  • 患者様が疲れてしまってうまく進まない
  • 息切れや易疲労性が問題になる

こうした問題に対してリハビリを進めるためには呼吸機能の評価は必須です。


回復期で状態が安定しているからこそリスク管理を徹底しよう

 

回復期に入った患者さんは一見安定しているように見えますが、「病状が安定している=リスクが少ない」という思い込みは非常に危険です。

たしかに急性期と比べて状態は落ち着いているように見えるかもしれませんが、実際には胸部レントゲンや心電図などの明確な異常所見が乏しく、医学的な情報が少ないのが現実です。

 

さらに、リハビリの時間が延び、運動負荷も徐々に増していくため、細やかな観察と判断が不可欠です。この時期こそ、患者さん自身が発している小さなサインを見逃さずに拾う「フィジカルアセスメント」の重要性が増します。

客観的データに頼りにくいからこそ、症状の変化に気づく力が問われるのです。

 

たとえば、労作性狭心症やNYHA Class Ⅲ程度の心不全では、安静時には症状が出ないことが多く、病室で静かにしているだけでは問題が表面化しません。

そのため、活動時に現れる変化や本人の訴えをいかに察知するかが、リスク管理の鍵となります。

こうしたことをきちんと評価できる理学療法士・作業療法士になりたいですね。


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講師:真鍋 周志 先生

 

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