肩関節の可動域が改善しない|その原因を見落としていませんか?
脳卒中片麻痺患者様の上肢機能についてのリハビリは、
非麻痺側を優位に使いすぎて、なかなか麻痺側上肢を使ってもらえていないという状況はよく耳にします。
私自身も日常生活の中で、非麻痺側を使って自立しているから、
という理由でリハビリの優先度を下げてしまったという時期もありました。
しかしながら、こうしたことを続けていると、
非麻痺側側の優位性が高まり、麻痺側上下肢の連合反応が強くなると言った経験をしたことはありませんか?
こうしたことについて今日は考えてみたいと思います。
脳卒中片麻痺患者様の麻痺側上肢機能について考える

脳卒中片麻痺患者様のリハビリにおいて、ある程度日常生活が自立してくると、上肢機能を高めることを希望される患者様は少なくありません。
しかしながら、上肢や手のリハビリについては、機能の複雑さからなかなかうまくアプローチができないというセラピストもおられるのも事実です。
脳卒中治療ガイドライン2021では、上肢機能のリハビリテーションにおいて、課題指向型訓練、ロボット支援訓練、電気刺激療法が推奨されており、早期からの介入と集中的かつ反復的な訓練が効果的であるとされています。
そのため我々セラピストは、脳卒中片麻痺患者様の麻痺側上肢のリハビリ技術を徹底的に学び、患者様に還元していく技術を身に着けていかなければいけません。
上肢機能のリハビリで考えておくべきこととは?
そのためにはまずは肩関節のバイオメカニクスを理解することが先決です。
肩関節の解剖や運動学を勉強する方は、運動器疾患を担当される方、という先入観がある方もおられますが、それは違います。
脳卒中片麻痺患者様の麻痺側上肢を担当する上でもこうした解剖学的知識はとても重要になります。
適切なリハビリテーションを行うには、肩関節の正常なバイオメカニクスを理解し、それに基づく動作再教育が必須です。
こうした知識をぜひ身に着けていけるようにしたいですね。
上肢の関節可動域がなかなか上がらないと悩むあなたへ
関節可動域練習は、多くのセラピストが日常的に実施している基本的なアプローチの一つです。
しかし、「ストレッチを行ってもすぐに硬くなる」
「可動域がなかなか改善しない」
と悩んだ経験はないでしょうか。
近年、こうした問題に対する新たな手法として注目されているのがフロスバンドを用いたフロッシングです。
フロッシングは、軟部組織や癒着部位を適度に圧迫した状態で運動を行うことで、筋膜(Fascia)の滑走性を改善し、組織の柔軟性向上を図るアプローチです。
また、チキソトロピー作用によって硬くなった組織の粘性を変化させ、動きやすい状態へ導く効果も期待されています。
軟部組織由来の関節可動域制限や疼痛、筋緊張の改善を目的として活用されることが多く、
短時間で関節可動域の向上や動作の改善が得られるケースも少なくありません。
今回は、フロッシングの基礎知識と臨床での活用方法について解説していきます。
整形外科疾患・脳血管疾患に対する上肢に対する運動療法|フロッシングを用いた運動療法
講師:佐々木 秀一 先生(北里大学病院リハビリテーション部 主任 一般社団法人神奈川県作業療法士会 理事(学術部担当) 第20回神奈川県作業療法学会実行委員長)
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