栄養面が悪い患者様の運動療法の考え方とは?
リハビリの現場において、栄養評価は管理栄養士や看護師の専門領域と考えられがちです。
実際、病院ではそれぞれの職種が役割分担を行い、患者様の状態を多角的に支えています。
しかし在宅や臨床の最前線では、「自分の専門外だから」と切り離して考えることが難しい場面も少なくありません。
セラピスト自身が栄養状態をある程度把握しておくことは、リスク管理の観点からも極めて重要です。
なぜなら、栄養状態が不良なまま運動療法を行うことは、筋力の向上どころか、かえって身体機能の低下や合併症のリスクを高めてしまう可能性があるからです。
本記事では、なぜ栄養状態が運動療法に影響を与えるのか、その背景について整理していきます。
栄養面が悪い場合にリハビリ職種が考えておくべきこととは?
私たちの体は、運動をするために必要なエネルギーや栄養素をしっかりと摂取することが不可欠です。
しかし、栄養が不足すると、さまざまな面で運動能力が低下してしまいます。
例えば、エネルギー不足が大きな問題になります。
運動をするためには、体が必要とするエネルギーが必要です。
栄養が不足すると、持久力や瞬発力が低下し、思うように体を動かせなくなります。
具体的には、長距離を走る際に疲れやすくなったり、重い物を持ち上げることが難しくなったりします。
運動後の回復力も重要です。運動をした後、体は筋肉を修復し、エネルギーを再補充する必要がありますが、
栄養が不足しているとこのプロセスが遅れます。
これにより、次のトレーニングに向けた準備が整わず、パフォーマンスがさらに低下する悪循環に陥ることもあります。
また、栄養不足は免疫機能にも影響を与えます。
体が必要な栄養素を十分に摂取できていないと、免疫力が低下し、運動後に風邪をひいたり、感染症にかかりやすくなります。
これでは、せっかくのトレーニングも無駄になってしまいますね。
創傷の治癒にも栄養面の確認は必要です
術後の患者様においては傷口の治癒能力に栄養面が使われるため、
なかなか身体が思うように動かないという患者様を経験したことはありませんか?
私の親は手術後にリハビリをしなければいけないのはわかっているけど
なかなか身体が動かないという悩みを抱えていました。
実際のところ傷口が痛くて動けないということが一番の悩みではありましたが、
痛みや違和感の影響もあり、なかなか食事がとれていなかったようです。
食事量も全量摂取ではなく、5割食べれていたらいい方だったようです。
それではなかなか力も出したくても出ないですよね。
ヒトは生きていくために自分の身体の維持にもエネルギーを消費します。
心臓を動かすのも息をするのも脳を働かせるのもエネルギーが必要なのです。
こうしたエネルギー消費に栄養面が回ることで、自分の身体を動かすためにエネルギーが使えないという状況になっていたのですね。
こうしたことを防ぐためにも、もしあなたが患者様の運動がうまく進まないと感じているのであれば、
患者様自身の普段の栄養面の摂取量をチェックしてみてください。
理学療法士・作業療法士のための疾患別リハ栄養の知識|脳梗塞・脳卒中および嚥下障害に対するリハ栄養
講師:坂本 陽子 先生
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