認知症とせん妄の違いをなぜ理解しておくべきなのか?

訪問リハビリの現場では、患者様に明確なリハビリ期限が設けられていないことが多く、

5年以上、場合によってはそれ以上の長い年月にわたり関わらせていただくケースも少なくありません。

 

時間を重ねるほど、身体機能だけでなく生活背景や価値観にも触れる機会が増え、関係性はより深いものになります。

その一方で、

「この関わり方で本当に良いのだろうか」

「今の支援は将来につながっているのか」

と、自身の関与の在り方を考える場面も増えてきました。

 

特に認知症を有する患者様に対しては、長期的な関係だからこそ生じる課題や葛藤に対し、目を背けるのではなく、

専門職として自分にできることは何かを問い続ける必要があると感じています。

 

日々の実践の中で小さな工夫を積み重ねながら、少しでも患者様の生活の質向上につながる関わりを模索し、悩み続けているのが正直なところです。

今日はこうした問題に対して考えてみたいと思います。

認知症はどういった原因で発病するのか?

「認知症」とは、ひとつの病気の名前ではなく、さまざまな原因によって脳の働きが低下し、日常生活に支障をきたす状態の総称です。

共通するのは、脳の神経細胞が壊れたり減ったりすることです。

 

最も多いのはアルツハイマー型認知症で、全体の6〜7割を占めます。

脳にアミロイドβやタウといった異常なたんぱく質がたまり、神経細胞が徐々に死んでいくことで発症します。

物忘れから始まり、時間や場所の感覚が曖昧になるのが特徴です。

 

次に多いのが脳血管性認知症です。

脳梗塞や脳出血によって脳の一部にダメージが生じ、段階的に症状が進むのが特徴です。

高血圧や糖尿病など、血管に関わる生活習慣病が大きく関与しています。

 

レビー小体型認知症では、脳内にレビー小体という異常たんぱく質がたまり、幻視や注意の波、手の震えなどのパーキンソン症状が見られます。

一方、前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性することで起こり、記憶よりも感情や行動の変化が目立つのが特徴です。

 

そのほか、頭部外傷による慢性硬膜下血腫や、甲状腺機能低下、ビタミン欠乏など、治療すれば改善する「仮性認知症」もあります。

認知症の発症には、加齢だけでなく生活習慣や全身疾患も深く関わっています。

脳を健康に保つためには、食事・運動・睡眠を整え、血管や代謝の健康を守ることが何より大切です。

 

認知症とよく似たせん妄とは何か?

せん妄は認知症と混同されやすい状態ですが、性質は大きく異なります。

せん妄は、感染症や脱水、薬剤の影響、環境の変化などをきっかけに、急激に意識レベルや認知機能が変動するのが特徴です。

注意力の低下や見当識障害、幻覚、昼夜逆転などがみられ、症状は一日の中でも大きく変わります。

一方、認知症は慢性的かつ進行性で、短期間で劇的に変化することは少ないとされています。

せん妄は原因を取り除くことで改善が期待できるため、早期発見と対応が重要であり、

訪問や臨床現場では「急に様子が変わった」という視点を持つことが大切です。

 

認知症予防のために私たちが考えるべきこととは?

日本では年々高齢者の割合が増え、いよいよ超高齢社会に突入しています。

その中で、私たちリハビリ専門職をはじめとする医療従事者が、地域での認知症予防事業などに関わる機会も増えてきました。

しかし一方で、認知症予防を強調しすぎることには注意が必要です。

なぜなら、認知症になったのは予防をしなかった本人の責任だという誤解や偏見を生むおそれがあるからです。

 

完璧な予防法がない以上、私たち医療者こそ正しい知識と視点を持って患者様や利用者様に関わる必要があります。

また、予防という視点で考えると、病院にかかる前の段階で、家族や地域がどれだけ関わるかが大切です。

認知症は決して他人ごとではありません。家族のサポートが大きな鍵になります。

 

その中でも特に重要なのが、外出の機会を増やすことや定期的に体を動かすことです。

研究では、週3回以上の運動習慣がある高齢者は、認知症の発症リスクが低いことが示されています。

とはいえ、一人では運動を続けるのが難しいと感じる方も多いでしょう。

私の親もまさにその一人です。

だからこそ、家族が一緒に関わることが、最も身近で、最も効果的な認知症予防になるのだと思います。

 

認知症患者様の活動レベルを考えるうえで重要なこととは?

認知機能に問題がある患者様と関わると、こちらが評価や治療の指示をしても、その内容を正しく理解できなかったり、やっている最中の作業を患者様自身が説明できない場面に出会うことがあります。

例えば、上肢の動作訓練をしていても「今どんな動きをしていますか?」と尋ねると答えられない、あるいは全く違う説明をされることもあります。


これは単に記憶力の問題ではなく、注意機能や遂行機能、理解力といった複数の認知機能が影響していることが多いです。

セラピスト側は「指示を守れない=協力が得られない」と捉えがちですが、そもそも認知機能の低下により情報処理がうまくいかず、本人も自分の行動を把握できていない場合があります。


こうした場合は、指示の出し方や環境設定を工夫することが重要です。

  • 短く具体的な指示を一つずつ出す
  • 目の前で一緒にやって見せる
  • 動作の目的を簡単に伝える

など、認知機能に合わせたアプローチが有効です。

患者様が安心して取り組める環境を整えることが、リハビリの質を高める第一歩だと感じています。

 

こうした活動レベルを評価するためにはどのようなことを学べばいいかを

エポックセミナーでは提供させていただいております。

 

理学療法士・作業療法士のための認知症におけるリハビリテーション|一括申込

講師:齊藤 隆一 先生

 

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