心疾患の運動負荷設定で覚えておくべき有効限界と安全限界とは?
心疾患のリハビリにおいて、運動負荷量をどのように設定するか。
これはとても重要で難しい内容ではないでしょうか?
私自身も心疾患の患者様を担当すると、まずどの程度なら運動は可能か
それを探り探り行うことが多いです。
あなたも医師からの指示で、運動負荷を設定していると思います。
その時に覚えておくべきことは何か、
なぜその運動負荷量に設定されているのかを考えなければいけません。
その理由について今日は解説します。
心疾患の運動負荷量で覚えておくべき有効限界と安全限界とは?
心疾患のリハビリにおいて、運動負荷量を間違えると
患者様の状態が悪化するリスクがあるのは誰でもわかることだと思います。
そのため、患者様の状態悪化を恐れてなかなか運動負荷量を設定できない
という悩みを抱えている方も少なくないと思います。
運動療法において覚えておかなければいけない単語が二つあります。
それは
- 安全限界
- 有効限界
です。
これ以上の運動は危険であるという運動強度や運動量の限界を安全限界といい、
これ以下の運動強度や運動量では効果が得られないという限界を有効限界といい ます。
これは筋力トレーニングの原則の一つではありますが
筋力トレーニングに限らずリハビリ全般、特に心疾患のリハビリにおいてもとても重要な原則です。
効果的なリハビリを提供するためには、有効限界を見極める必要があり、
その有効限界ギリギリのリハビリを見極めながら、徐々に負荷を上げていく
そのために必要なことは何かわかりますか?
心不全患者の運動負荷の設定方法とは?
心不全患者の運動療法を行う前に重要なことは、
心不全の重症度、合併症の有無、身体機能や運動能力などを総合的に考慮し、
目標心拍数を決定することが重要です。
一般的には、最大心拍数の60~70%程度が推奨されますが、
これは患者様の年齢や心不全の重症度によって異なるため、個別の評価が必要です。
心拍数をモニタリングしながら運動を行うことで、
過負荷のリスクを軽減し、適切な運動強度を維持することが可能です。
モニター心電図をチェックしながら運動する機会を作るべき理由とは?
さて、運動療法を行う上で心拍数や血圧のチェック、呼吸回数のチェックを行いながらリスク管理を行うことはとても重要です。
それに加えて、急性期だけでなく、回復期病院においてもモニター心電図やホルター心電図を付けておられる患者様は少なくありません。
こうした患者様に対して心電図の波形を見ながら運動するという癖をぜひつけてみてください。
なぜ運動中に心電図波形を診なければいけないのか?
と疑問を持つ方もおられると思います。
それは運動中において心臓の動きに異常があるかどうかを事前にチェックし、
心拍数や血圧などの変化が出る前に、異常をチェックすることができるからです。
心電図を付けていれば、異常波形が出た場合、モニターが音を鳴らしてお知らせしてくれるので、こうした方法を用いてリスク管理を行うということができます。
こうした内容について考える機会をぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
もしあなたが心不全の患者様のリハビリで悩んでいるのであればこちらのセミナーをチェックしてみてください。
【動画配信】理学療法士・作業療法士のための心不全症例の運動負荷の設定方法
講師:真鍋 周志 先生
(医療法人渡辺医学会 桜橋渡辺病院 / 理学療法士 / 呼吸療法認定士 / 認定理学療法士(呼吸、循環器) / 心臓リハビリテーション指導士 / 心不全療養指導士)
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