心電図がついているからこそ安心して運動できる理由とは?

心電図や循環器系の知識は後回しにされがちにしていませんか?

若手のうちにはどうしても徒手技術や新しい知識に走ってしまうということは少なくありません。

しかし、循環器系の知識や呼吸器系の知識は、

なにも心疾患の患者様や呼吸器疾患の患者様だけじゃなく、すべての患者様に適応できる知識です。

特に心電図の知識は知っていると運動療法にはとても役立ちます。

そのため、私は循環器系の基礎知識は若手のうちにこそ勉強しておくべきだと感じています。

今日はその理由について解説してみたいと思います。

 

モニター心電図がついていると安心できる理由とは?

よく、心電図がついているとベッドサイドでなかなか離床ができない、

心電図がついているから負荷がかけずらいと勘違いする若手セラピストがいます。

私も同じ考え方でした。

 

しかし新人時代に先輩に教えていただいたのが

「心電図がついてるからこそ、少しの負荷でも心臓の状態がわかるから安心してやってごらん」

といっていただいたのです。

心電図がついているからこそ、患者様の状態を可視化して考えることができるんです。

もちろん不安定な状態は変わりませんから、運動負荷量は少しずつ書けていく必要がありますので、そこは注意してくださいね。

 

心電図を理解することのメリットとは?

心電図を理解することができれば、心臓がどのような問題を抱えているかを理解できますし、どの程度の負荷量であればかけても問題ないかどうかが理解できます。

 

例えば、高齢の整形外科疾患の患者様のリハビリを担当することになったとしましょう。

高齢であればあるほど、様々な問題を抱えて生きてきています。

例えば糖尿病や心不全、腎不全など、身体のどこかに何かしらの問題を抱えて生きています。

 

その状態で骨折等の問題を抱えてしまうのですから、

どうしても運動負荷がかけられないという問題を抱えてしまいます。

そんな時に循環器系の知識を勉強していれば、

どの程度の負荷量をかけることができるのかを理解することができます。

 

ただ、循環器系の知識を勉強するだけでは面白くないなと思われる方は、

ぜひ心電図を勉強してみてはいかがでしょうか。

 

心電図を理解するということは、

心臓の電気信号や、心臓の動きを理解することに繋がります。

また、どのような病態が起こっているのかを視覚的に理解することができますので、

心疾患の知識を深めたいと思っているのであれば

ぜひ心電図の勉強を始めることをおすすめします。

 

心電図を理解すると不整脈や興奮伝道の異常がわかる

心電図は、心臓の電気的な活動を記録する検査です。

これにより、心臓のリズムや働きが正常かどうかをチェックできます。

心臓は洞結節という部分から電気信号を発生させ、それが心臓全体に伝わることで拍動します。

 

もしこの電気信号に異常があると、心臓の筋肉も正常に働かなくなります。

心電図の波形を見れば、これらの異常がどのように起こっているのかを理解できます。

不整脈は、心臓の電気的な働きが正常でない状態を指します。

心電図を通じて、さまざまな不整脈の種類やその原因を把握することができます。

 

例えば、心房や心室が厚くなったり、拡張したりすると、心電図の波形にも変化が生じます。

このように、心電図は心筋の病的な変化を視覚的に示してくれる重要なツールです。

簡単に言うと、心電図を使うことで、心臓の健康状態を詳しく調べることができるのです。

 

心電図波形では何を見ればいいのか?

ではまず心電図波形では何から見ればいいのかを考えてみましょう。

一番オーソドックスな見方としては、

心房の興奮、いわゆるP波と心室の興奮(QRS波)が

それぞれ一定のリズムで出現しているかをチェックするところから始めてみましょう。

まずはP波が規則的に出ているのか?

頻脈なのか徐脈なのか?

不規則な場合は元のリズムより早く出ているのか?

といったところからチェックを始めるといいかもしれません。

 

つまり

  • 規則正しく出ているか?
  • 徐脈か頻脈か
  • 洞調律なのか
  • 上室性期外収縮なのか
  • 上室補充収縮なのか
  • 房室電動はあるのか
  • 心室への伝導時間は早いのか遅いのか
  • 心室性期外収縮なのか

こうしたところからチェックを始めていくといいかもしれませんね。

 

不整脈を呈する患者様のリハビリの進め方とは?

ではこうした不整脈を呈する患者様のリハビリは、ベッドサイドでのリハビリが中心になるのでしょうか?

そういうわけではないと思います。

ベッドサイドでのリハビリだけではなく、歩行練習を進めるよう指示が出ることもあります。

その際に「リスクがあるから」という理由で歩行練習を控えるわけにはいきません。

 

ですが、歩行練習を進めていくことに恐怖感を覚えることもあるのではないでしょうか?

出はその際には何を基準に評価していくべきなのでしょうか?

 

そこで重要になるのが、フィジカルアセスメントです。

息切れやめまい、発熱、意識レベルの低下などちょっとした異常に気づけるかどうか。

どのような症状が出てくる可能性があるのかを理解し、

きちんと運動負荷を考えていく必要があるのです。

 

 

こうしたことを学びたい方はこちらのセミナーもおすすめしております。

ぜひチェックしてみてください。

 

 

理学療法士・作業療法士のための心電図の基礎知識|不整脈の診かたとその対処法

講師:奥村 高弘先生
近江八幡市立総合医療センター 副主幹 理学療法士 循環器認定理学療法士/心臓リハビリテーション指導士/腎臓リハビリテーション指導士

 

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