脳卒中片麻痺患者様の歩行動作獲得に必要なこととは?
脳卒中片麻痺患者様の歩行動作の獲得のために、早期離床、早期歩行を促しているというセラピストは多いと思います。
そのために少しでも、一歩でも多く歩いてもらおうと頑張っている方もおられるのではないでしょうか?
しかしながら、歩行練習はただ歩かせればいいというものではありません。
- いかに効率的に歩けるか。
- 健常人と片麻痺患者様の歩行動作の違いとは?
- 二足立位を調整するためには?
- ステッピング運動ってどう調整すべきか
こうしたことを徹底的に考える必要があります。
今日はこうしたことについてお話していきたいと思います。
なぜ正常歩行動作分析ができなければいけないのか?
よく、正常歩行動作分析をもっと勉強しなさいと言われます。
でも、なぜ正常歩行動作分析ができるようにならなければいけないのかを知っていますか?
正常歩行動作分析をする理由、それは、効率的な歩行動作というものを理解する必要があるからです。
効率的な歩行とは、いかにエネルギー消費量が少なく、安全に歩けるかということです。非効率な歩行動作をしていると、うまく歩行速度を獲得することもできませんし、そもそも安全に安心して歩くことも出来ません。
こうした効率的な歩行というものがどういったものなのか、どの相でどのような要素が必要になってくるのかを理解し、なぜ患者様はその要素を獲得できないのか、どうすれば代償できるのかを考えるために、正常歩行動作分析ができるようにならなければいけないのです。
脳卒中片麻痺患者様の歩行動作の獲得に向けた考え方とは?
ではどうやれば脳卒中片麻痺患者様の歩行動作を安全に、安心して獲得していくことができるのか?ということですが、これは一概に歩かせれば獲得できるというものではありません。
患者様の歩行動作を細分化し、各相における必要な能力が何かを分析していく必要があります。
そしてその要素は歩行動作の中以外で獲得できることのほうが多いのです。
例えば立脚中期における片足立脚支持におけるバランス能力を考えてみましょう。
こうした能力を獲得するためには、例えば座位姿勢において片側の坐骨を挙上させて体幹を安定させるという能力が獲得できなければ、歩行道の中における片足立ちというものができるかと言われるとどうでしょうか?
座位でこうした姿勢支持ができない患者様は、本当に安全な歩行ができるようになりますでしょうか?
こうした問題点の細分化を考える上で重要なことを一つ一つ確かめるということはとても重要になりますので、ぜひ覚えておいてみてくださいね。