脳卒中リハビリで見落としがちな失行とは?|PT・OTが最初に押さえるべき評価ポイント
脳血管疾患のリハビリテーションでは、麻痺に対する運動療法や筋力トレーニングが重要であることは広く知られています。
しかし、理学療法士・作業療法士が臨床でより深く意識しておくべき領域として、高次脳機能障害の理解が挙げられます。
特に失行は、表面的な筋力や関節可動域では説明できない生活動作の困難を引き起こし、ADL・IADLの自立度に大きく影響します。
たとえば、更衣動作や食事場面での道具操作、段取りのついた複雑な動作など、日常生活に密接した行為がスムーズに行えなくなることは珍しくありません。
これは麻痺の回復度とは別軸で患者の生活を制限し、リハビリテーション全体の到達点を左右します。
したがって、失行の種類や評価方法、そして効果的なアプローチを理解することは、PT・OTにとって必須の臨床スキルと言えます。
本セミナーでは、脳卒中リハビリにおける見逃されやすい機能障害である失行に焦点を当て、
実際の臨床で役立つ視点と具体的な介入方法について解説していきます。
脳血管疾患のリハビリで覚えておきたい失行とは?
失行とは、物事のパターンや順序を覚える必要がある作業を行う能力が失われる障害として知られています。
例えば服を着る、車いすからベッドに乗り移るなど
生活において手順が必要な行為がうまくいかないという症状を呈しリハビリがうまく進まないという状態が起こります。
特に失行は様々なサブタイプが存在しており、患者様によって症状が一様ではないことが解釈を複雑にしています。
これらの症状は左半球の広範囲の生涯で生じ、右片麻痺患者様のリハビリにおいてはとても重要な評価項目になります。
実際私の患者様も比較的しっかりされておられ、問題なく歩けているように見えても、日常生活の中における道具の利用方法で困って介助を要するということは少なくありません。
そのため我々リハビリ職は失行についての理解を深め、どのようにリハビリを進めていくかをしっかり学ぶ必要があるのです。
失行症状の種類とは?
失行症状を評価するうえで、失行症状についてどのようなものがあるかを理解しなければいけません。
以下に特徴的な失行症状についてご紹介します。
・観念運動失行と観念失行
観念運動失行はこちらから指示された動作ができないという病態になります。
例えば自分で頭を触るなどの動きはできるけれど、頭を触ってと指示されるとどうやって動けばいいかわからないと言った状態になります。
つまり自発的な運動ならある程度可能ではありますが、習慣的な動作や簡単な動作が再現できません。
観念失行は道具の使い方がわからないと言った症状が出現します。
例えば金づちを見せるとして、これは何かは理解できていますが、金づちの使い方がわからないと言った症状になります。
また、実際の道具の使い方がぎこちなくなったり違う手順で行ったりするという症状が出現します。
特に左半球障害では言語や記憶に関わる症状が出現しやすいくなります。
言葉の意味を理解できなくなったり、過去の思い出や記憶を思い出せないなどが生じます。
これらは脳血管疾患のリハビリ現場の中で問題になりやすい症状としても知られており、
リハビリ現場においても動作学習の妨げになる症状となると言っても過言ではありませんので、きちんと理解し評価できるようにしておきたいですね。
高次脳機能障害に対するリハビリの効果的な進め方|失行への理学療法・作業療法の役割
講師:佐々木 克尚 先生
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