脳血管疾患の失行症状を理解してリハビリを円滑に進めるためには?

脳血管疾患のリハビリをするうえで、麻痺側上下肢の動きをいかに誘発していくかはとても重要になります。

しかしながら、麻痺に対するアプローチも重要ですが、それ以上に日常生活に影響を及ぼす症状があります。

それは高次脳機能障害です。

特に高次脳機能障害における失行は日常生活において、かなりの確率で影響してきます。

今日は失行について考えてみたいと思います。

 

脳血管疾患のリハビリで覚えておきたい失行とは?

失行とは、物事のパターンや順序を覚える必要がある作業を行う能力が失われる障害として知られています。

 

例えば服を着る、車いすからベッドに乗り移るなど

生活において手順が必要な行為がうまくいかないという症状を呈しリハビリがうまく進まないという状態が起こります。

 

特に失行は様々なサブタイプが存在しており、患者様によって症状が一様ではないことが解釈を複雑にしています。

 

これらの症状は左半球の広範囲の生涯で生じ、右片麻痺患者様のリハビリにおいてはとても重要な評価項目になります。

実際私の患者様も比較的しっかりされておられ、問題なく歩けているように見えても、日常生活の中における道具の利用方法で困って介助を要するということは少なくありません。 

そのため我々リハビリ職は失行についての理解を深め、どのようにリハビリを進めていくかをしっかり学ぶ必要があるのです。

 

失行症状の種類とは?

失行症状を評価するうえで、失行症状についてどのようなものがあるかを理解しなければいけません。

以下に特徴的な失行症状についてご紹介します。

 

・観念運動失行と観念失行

観念運動失行はこちらから指示された動作ができないという病態になります。

例えば自分で頭を触るなどの動きはできるけれど、頭を触ってと指示されるとどうやって動けばいいかわからないと言った状態になります。

つまり自発的な運動ならある程度可能ではありますが、習慣的な動作や簡単な動作が再現できません。

 

観念失行は道具の使い方がわからないと言った症状が出現します。

例えば金づちを見せるとして、これは何かは理解できていますが、金づちの使い方がわからないと言った症状になります。

また、実際の道具の使い方がぎこちなくなったり違う手順で行ったりするという症状が出現します。

 

特に左半球障害では言語や記憶に関わる症状が出現しやすいくなります。

言葉の意味を理解できなくなったり、過去の思い出や記憶を思い出せないなどが生じます。

これらは脳血管疾患のリハビリ現場の中で問題になりやすい症状としても知られており、

リハビリ現場においても動作学習の妨げになる症状となると言っても過言ではありませんので、きちんと理解し評価できるようにしておきたいですね。