トイレ動作で便意をもよおしている時の動きを理解していますか?

リハビリテーションに携わる理学療法士や作業療法士にとって、

姿勢評価、動作分析はもっとも専門とする分野であり、

脳卒中片麻痺患者様の評価や治療を行う上で必要不可欠な知識であると同時に、

初学者にとっては理解しにくい学問の一つかもしれません。

 

特に作業療法士の方々はADL動作の獲得について

日々奮闘されておられると思います。

先日患者様のリハビリ中にトイレ動作をチェックする場面がありました。

 

トイレ動作は普通の動作だけでなく、便意や尿意を我慢した環境下で

どのような行動になるかをチェックする必要があるなとつくづく感じました。

こうしたADL動作の獲得において、基本動作が十分に遂行できていないと

ADL動作のような応用動作を獲得することは困難です。

 

今日はこうした基本動作をどのように考えるべきかを解説します。

 

ADL動作は基本動作を徹底分析することから始めよう

そもそも基本動作を考える理由ってわかりますか?

  • 寝返る
  • 起き上がる
  • 座る
  • 立ち上がる
  • 立つ
  • 歩く

単純に基本動作はこうした動きに分類されます。

しかし、本質は別にあります。

トイレ動作において立ち上がる際の安定性が悪い患者様がおられるとしましょう。

こうしたときに立ち上がり動作の「何が悪いか」を考えるうえで

基本動作を理解することで、動作を「細分化する」ことができます。

 

基本動作練習は人間発達を理解しながらトレーニングを行おう

脳卒中片麻痺患者様のリハビリテーションを行う上で、基本動作練習を徹底的に理解することはとても重要になります。

しかしながら早期離床、早期歩行を促していくうえで、どうしても寝返りや起き上がり動作練習は後回しにされがちになります。

 

ですが、人の成長を理解すると、寝返りや起き上がりを獲得するからこそ、歩行能力が獲得できるようになるのです。

 

寝返りや起き上がりなどの抗重力伸展活動を通じて、四つ這いや高這いを経て、

立位で手を使う動作を獲得し、歩行を獲得すべきなのですが、こうした能力トレーニングが後回しにされがちになっているのではないでしょうか。

 

そのため基本動作を理解することが重要になるのです。

 

トイレ動作はリアルな環境下での動作をチェックしておこう

こうした基本動作能力を鍛えたとしても、いざ本番では同じ動作ができるとは限りません。

我々もそうですが、便意や尿意をもよおした時の動作はかなり性急になると思います。

 

普通に動作はできたとしても、我慢している時って意外と変なところに力が入り

過剰な動作になってしまうということを頭に入れておかなければいけません。

 

先日患者様のリハビリ中に便意をもよおされたので、トイレ移動を介助させていただきました。

普段の移動は安定しているのに、こうしたときにはかなり性急に移動されているということに気づいたのです。

そんな時にはどのようなことを考えてリハビリをしなければいけないのか、

あたらめて考え直してみてもいいかもしれませんね。

 

脳卒中片麻痺患者様のADL練習を認知神経リハの概念を用いて考える|トイレ動作編

 

講師:生野 達也先生

動きのコツ研究所 所長 / 理学療法士

 

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